待望の一大運動拠点復活 高田松原運動公園利用開始(別写真あり)

▲ 第二野球場などの利用が始まった高田松原運動公園

第一サッカー場では子どもたちが熱戦を展開

 

 東日本大震災で被災した野球場やサッカー場などを復旧した陸前高田市の高田松原運動公園は6日、一部施設の利用が始まった。幅広い世代の市民に親しまれた運動拠点が震災発生から約9年3カ月を経て完成し、スポーツを通じた交流人口の拡大にも期待がかかる。第一野球場をはじめ一部施設は天然芝養生などのため利用開始が延び、市は夏にもオープンセレモニーを開催することとしている。

 

被災の野球・サッカー場復旧

 

 この日は、第二野球場で高田第一中野球部が奥州市や大槌町の2校と練習試合を行った。選手たちは広田湾に向かって震災犠牲者への黙とうをささげたあと、新球場でハツラツとプレーした。
 新型コロナウイルス感染症の影響で県中総体の中止が決まった中、気仙地区中総体は7月11、12の両日開催されることが決まった。大会を見据えて熱戦を繰り広げ、父母らの声援も響いた。
 同部の畠山琢磨主将(3年)は「震災前あった球場が高田松原に完成してうれしい。県中総体が中止と聞いたときは落ち込んだが、気仙地区中総体がある。笑顔で頑張っていく」と意気込んだ。
 人工芝の第一サッカー場では、地元の高田フットボールクラブ(FC)と大船渡市のFCサン・アルタス大船渡が練習試合を実施。
 高田FCの戸羽元紀監督(37)は「素晴らしい環境を整備してもらいありがたいの一言」と話し、戸羽将希主将(高田小6年)は「土のグラウンドよりも走りやすい」と喜んでいた。
 同運動公園は、市が高田松原津波復興祈念公園内に整備。敷地は約21㌶。事業費は約46億円で、平成30年3月に着工した。
 公園内には、野球場二つ、サッカー場二つに加え、天然芝の多目的広場、子ども広場、屋内練習場、ミーティングルームが入る。トイレは4カ所、駐車場は5カ所で、駐車台数は990台(常設630台、臨時360台)分確保した。
 このうち、利用開始を延期する施設は▽第一野球場▽第二サッカー場▽東側芝生広場──。理由は天然芝養生などで、芝が整えば順次開放する。
 第一野球場は、市と東北楽天ゴールデンイーグルスがパートナーシップ協定を結ぶ縁から、愛称を「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」に決めた。両翼99㍍、中堅122㍍。震災前手動式だったスコアボードは、電光掲示板化する。
 第二野球場は、両翼90㍍、中堅115㍍。第一、第二野球場の間には、鉄骨造平屋建て、広さ560平方㍍の屋内練習場が立つ。
 野球場東側の第一サッカー場は広さ1万1800平方㍍、第二サッカー場は天然芝で広さ9000平方㍍。二つのサッカー場の間には、木造平屋建てのミーティングルームを整備した。
 市は施設の使用予約を受け付けている。使用料など詳細の問い合わせは、市総合交流センター「夢アリーナたかた」(℡22・8448)へ。