責任明確化の追及も 「三木」巡り論戦交わす 6月議会定例会

▲ 三木への対応などを巡って論戦が繰り広げられた一般質問

 住田町議会6月議会定例会は10日、前日に続き通告に基づく一般質問が行われ、佐々木春一(日本共産党)、林﨑幸正(無所属)、阿部祐一(同)、村上薫(同)の4議員が登壇した。三陸木材高次加工協同組合(三木)への対応を巡る論戦が前日に引き続き繰り広げられ、複数の議員から明確な方向性の提示と早期の問題解決を求める声が上がった。
 三木など木工団地については、林﨑、阿部、村上の3議員が取り上げた。
 林﨑議員は、世田米で木工団地を形成する三木と協同組合さんりくランバー(ランバー)の総額10億円におよぶ未償還金への対応が町の最重要課題だとして、当局、町顧問、議会による「対策チーム」の検討状況と今後の進め方について質問。
 神田謙一町長は、対策チームとしてこれまでに計16回の検討を行ってきたことや、前日と同様、一部報道について三木の理事長、理事からの聞き取り内容を報告。「今後、状況把握に努めて、議員の皆さんと協議しながら進めていきたい」とした。
 同議員は続けて、これまでの対策チームによる会合でも結論が出ていない現状に触れたうえで、「裁判に持っていく気はあるのか」と追及。神田町長は「対策チーム、議会の皆さんと協議しながら判断していきたい」と述べた。
 村上議員は三木の現状と今後の町の対応をどう進めるか、木工団地2事業体の現況を受けて町の林業施策をどのように図るか、当局の考えを質した。
 町長は、林﨑議員への答弁と同様に、これまでの経緯や報道を受けての聞き取り内容を説明。
 「改めてこれまでの経緯を精査して関係者の責任を明らかにするべきだ」とした村上議員に対し、町長は「町の大きな課題なので、住民に対しても町と議会が一体となって説明していくべきものだと思っている」と答えた。
 阿部議員は、新型コロナウイルスの影響が多くの分野に出ている中、素材生産、製材所、木工団地への影響をどうとらえているか、当局の見解を求めた。
 町長は「木工団地には、現在は新型コロナウイルスによる大きな影響は出ていないと把握している。引き続き、聞き取りを行って情勢把握に努めていく」と答えた。
 同議員は2事業体への対応について「町のとるべき方策は限られており、明確な判断を示すべきではないか」と続け、町長は「早めの解決には早めの判断が必要。対策チームの中で結論を早めに出し、議員の皆さんにもご理解をいただきながらやっていきたい」とした。
 佐々木議員は、新型コロナウイルスにかかるきめ細かい地域診療体制の重要性を指摘。「感染拡大で最も憂慮されることが医療機関のひっ迫、医療崩壊の危険であったことから、町内唯一の医療機関である住田地域診療センターの役割が重要となる」として、医療体制の充実と連携に向けた対応について質問した。
 町長は「引き続き、県に対して外来診療の利便性向上や医療体制充実と合わせ、保険医療介護連携体制構築のための連携強化を要望していく姿勢だ」との考えを示した。