家のこと何でも聞いて 7月から相談窓口開設 NPO法人高田暮舎

▲ 相談窓口開設に関するチラシなどを手にするスタッフ

 陸前高田市のNPO法人・高田暮舎(くらししゃ、岡本翔馬理事長)は7月1日(水)、住宅に関する多様な悩み事に応える電話相談窓口を開設する。スタッフが年中無休、無料で相談に乗り、専門業者とも連携しながら、空き家の賃貸・売買や空き家管理、家財・遺品整理、登記手続き、リフォームなどのサービス提供まで円滑につなげる仕組み。今月21日(日)から28日(日)まで、空き家の管理や活用法を伝える説明会の動画をネット配信する。


空き家管理や遺品整理も本格化

 

 窓口では▽空き家管理▽家財・遺品整理▽補修・修理▽賃貸・売買▽ハウスクリーニング▽登記▽リフォーム──に関する悩み事のヒアリングを行う。
 空き家管理と家財・遺品整理は窓口開設に合わせ、同法人が新たに始める事業。
 空き家管理は月1回、スタッフが全室換気や雨漏り・カビ確認、庭や郵便ポストのチェックを行い、即日依頼者に状況を報告する。屋内・屋外両方の点検は月額1万円、屋外のみ、屋内のみはそれぞれ月額6000円。
 一方、家財・遺品整理は依頼者が立ちあい、現地調査、要望を聞き取ったうえ料金の見積もりを行う。基本価格は2LDKが14万円、3LDKが22万円など。希望があれば不要品の買い取りも行い、買取額を差し引いた料金を提案する。
 また特殊清掃、庭木のせん定、廃棄品の運搬などのオプションサービスも設ける。事業開始を見据え、スタッフ2人が民間資格の遺品整理士取得を目指す。
 空き家に関するオンライン説明会の動画は21日午前10時から、フェイスブックの同法人専用ページで配信する。同日は正午以降、住宅の個別電話相談も受け付ける。
 高田暮舎は平成29年に設立。東日本大震災が拍車をかけた人口減少を逆手に取り、「ポジティブな過疎地をつくりあげよう」と、空き家を利活用した移住・定住促進事業に当たっている。
 同法人が把握している市内の空き家は約450軒。今後、さらなる加速が見込まれる住宅の空き家化は、景観の阻害、犯罪の温床となることが懸念される。同法人には「盆や正月だけ帰るので家は手放したくないが、状態の悪化が心配」など、県外に住む持ち主らからの不安の声も寄せられるという。
 同法人の越戸浩貴副理事長(35)は「思い入れのある家をネガティブなものにしないためにも、空き家を早期に、適切に管理することが重要だ。相談窓口では空き家にとどまらず、家に関する悩み事を何でも聞く。お気軽に問い合わせしてほしい」と呼びかける。
 相談窓口の電話番号は、090・9637・3662。受付時間は午前9時〜午後8時。