新型コロナウイルス/収束後の着地型旅行定着を 7月から観光セミナー開催へ 大船渡市観光物産協会

▲ 三陸ジオパークのジオサイトとなっている碁石海岸をはじめ、地元発の独自性あるツアー創出へセミナーを開催(資料)

 新型コロナウイルスの影響が収束した後の地元主体による旅行商品開発や活用などを見据え、一般社団法人大船渡市観光物産協会(齊藤俊明会長)は7月8日(水)から、「旅行満足度を向上させる観光セミナー」を初めて開催する。11月下旬まで全5回を企画し、みちのく潮風トレイルや地域の独自性を生かしたツアーの造成などを見据える。セミナーやワークショップ、実践検証など多彩な研修や企画づくりを行う計画で、参加を広く呼びかけている。

 

「満足度」の向上見据え

 

 同協会などによると、昨年度の市内の観光客入込数は78万9407人で、前年度比9万2831人増加。宿泊者は同1万3987人増の21万2072人、教育旅行者入込数も同972人増の4335人となった。市内では東日本大震災以降、平成26年をピークに減少傾向にあったが、昨年度は上昇に転じた。
 しかし、今年に入って新型コロナウイルスの影響が広がり、3月は宿泊施設で予約キャンセルが相次いだ。影響の収束後を見据えた魅力づくりや受け入れ体制再整備の必要性も高まっている。
 また、協会には住民らから「通年で楽しめる企画をつくりたい」といった声も寄せられていた。こうした中、本年度のさんりく基金コミュニティ活動・人材育成事業を活用し、三陸・大船渡の魅力を伝える地域着地型商品造成などにつなげようと企画した。
 セミナーでは「みちのく潮風トレイル」「三陸ジオパーク」をはじめ、大船渡らしさが光る資源を組み合わせた魅力発信を探る方針。地元ガイドや独自性を生かした着地型商品の造成から販売までをセミナーで実践し、研究することで、観光の活性化を考えるコミュニティー形成も見据える。
 講師は、㈱インアウトバウンド仙台・松島の西谷雷佐代表取締役らが務める。初日は大船渡市の市防災観光交流センター(おおふなぽーと)で午後1時30分から開催。旅行ガイドについて学ぶセミナーを計画している。
 翌日の講座は、大船渡町の大船渡温泉で午前9時30分から開催し、旅行商品の運営方法や商品造成手法について、ワークショップ形式で学ぶ。8月下旬から9月中旬にもフィールドワークやワークショップを行い、11月中旬までに成果発表と、まとまった旅行企画の活用検討などを計画している。
 受講料は無料。すべての受講が望ましいが、数回のみの参加も可能とする。
 同協会では「新型ウイルスの影響収束後の対応も考えなければならない中で、近隣から訪れる方々も楽しめる旅行商品や、個人客が気軽に魅力を味わえる企画も重要になる。大船渡の自然や文化、産業に興味があり、さらに活性化させたいと考えている住民らが多く参加してくれれば」と、期待を込める。
 申し込みの締め切りは今月30日(火)。申し込み、問い合わせは同協会(℡21・1922)へ。