RPA導入「段階的に」 業務効率化へ実証成果示す 大船渡市議会一般質問最終日

▲ 一般質問最終日は3議員が登壇

 大船渡市議会6月定例会は19日、一般質問の最終日を迎え、山本和義(日本共産党大船渡市議団)滝田松男(同)森操(無所属、公明党)の3議員が登壇した。戸田公明市長は、昨年度実施した定型業務効率化に向けたRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の実証実験成果を示し、今後は大きな効果が見込まれる事業を洗い出し、段階的に導入を進める考えを示した。

 RPAは、職員らが対応している定型業務を、パソコンなどに導入したソフトウエア処理で自動化し、効率化を図る取り組み。森議員は、導入検討の状況について説明を求めた。
 戸田市長は「昨年度、ふるさと納税業務で試験的に実証実験を行った」と答弁。一連の手続きの中で、受領書作成送付や入金額の確定処理などの検証を進めたところ、年間推計で約360時間を要していた作業が約40時間にまで圧縮できる結果だったことを示し、「一定の成果が示されている」と総括した。
 半面、作業量が少ない業務や、判断が伴うものには適さないといった分析にも言及。今後の方向性について「職員研修を実施して理解を深めるとともに、RPAに適した業務のリスト化を図り、高い効果が見込まれるものから段階的に導入を進めたい」と述べた。
 トップ登壇の山本議員は、気仙における新型コロナウイルス感染症に対応した「地域外来・PCRセンター」(発熱外来)設置の動きを取り上げ、具体的な計画を質問。設置主体は市で、開設場所は、地域や住民混乱を防ぐため非公表としている。
 戸田市長は、気仙3市町在住の中学生以上を対象とし、業務内容は問診や体温測定、酸素飽和度測定、PCR検査などを想定しているといった検討概要に加え、かかりつけ医らの判断で必要な人を検査する方向性も示した。そのうえで「関係機関と連携を密にし、感染拡大防止に向けて取り組む」と述べた。
 再質問の答弁で当局側は、検査体制について「週に数日、数時間の方向」で検討していると説明。金野高之生活福祉部長は「希望者を検査するものではない。医師らの中でも、当初は検査件数は多い状況ではないだろうとの認識がある、スモールスタートで始め、第2波、第3波に備える体制をつくりたい」と理解を求めた。
 滝田議員は、新型ウイルスの影響に苦しむ地元事業者支援策などで論戦。市は売り上げが減少した事業所に一律30万円を支給する事業を独自で実施している中、医療や介護分野をはじめ対象から外れている業種への対応などを追及した。
 答弁に立った志田努副市長は「医療や介護施設などへの補助は、県の方でも支援制度を打っている。その状況をみながら、市としても何ができるか考えていきたい」と説明。
 志田副市長はさらに、地域経済再生に向け、住民による消費行動の重要性も強調。「全国的な組織などが業種別の感染防止ガイドラインを作成し、それに基づいて地元店舗でも対策をとっている。市としても、安心して市民が訪れるために、対策を講じている店舗ごとの情報などをPRするお手伝いもして、地域経済再生を図っていきたい」と述べた。