新型ウイルス対策に2.2億円追加 一般会計補正予算議決 大船渡市議会
令和2年6月24日付 1面
PCR検査センター設置など
大船渡市議会6月定例会は23日、最終本会議が開かれ、新型コロナウイルス対策費を中心とした一般会計補正予算案や条例案など当局提案14件、議員発議2件などを可決し、閉会した。この日当局が追加した同補正予算には、地域外来・PCR検査センター(発熱外来)となる臨時診療所や、売り上げが減少した事業所に一律30万円を給付する対象業種の拡大、避難所対策などが盛り込まれた。当初7月からを予定していた水道料金値上げは、来年4月に先送りされた。
水道料値上げは先送り
独自支給拡大や避難所備品購入も
市は今月12日の開会時、歳入歳出に11億6800万円を追加する一般会計補正予算を上程。このうち、新規事業分の新型ウイルス対策は、就学援助費受給世帯への給付金交付や小中学校の感染拡大予防用品購入経費などで計943万円となっている。
最終日に追加した2億1100万円は、すべて新型ウイルス対策。歳入歳出の総額は、いずれも277億6100万円となった。
追加分のうち、中小企業事業継続支援金は1億5000万円。売り上げが減少した事業所に一律30万円を給付するもので、対象業種に建設業や不動産業、自動車整備業などを新たに追加した。
また、臨時診療所設置運営経費は1900万円で、補正予算とは別に設置に関する新条例制定も可決された。設置主体は市で、7月中をめどに設置するとしている。
当局は質疑の中で、臨時診療所運用の流れを説明。患者がかかりつけ医を受診し、医師がPCR検査が必要と判断した場合に、臨時診療所に予約。対象者に場所や日時を伝え、検査を行い、結果を通知する。患者本人や保健所、かかりつけ医、当日検査した医療スタッフらにも報告される。
運営経費は、従事者が着用するガウンやマスクといった感染防止防護具・消耗品に加え、プレハブ構造の建物設置費や工事費、光熱費、医療事務委託料、従事者の報償費などに充てる。場所は非公開としているが、すでに選定は終えたという。
補正予算ではこのほか、1世帯あたり5万円、第2子以降1人につき3万円を支給する「ひとり親世帯臨時特別給付金給付事業」に3023万円を計上。指定避難所向けにパーテーションや段ボールベッド、マスクなどを確保する感染拡大予防用品購入経費は596万円とした。
条例案は、甫嶺復興交流推進センター設置管理に関する制定に加え、▽地方活力向上地域における固定資産税の課税免除等に関する条例▽墓園条例▽介護保険条例▽簡易水道事業給水条例▽水道事業給水条例──などの各一部改正。
簡易水道事業と水道事業に関しては、厳しい財政状況を見据え、当初は7月1日から基本料金やメーター使用料などを現行から19・9%値上げする時期としていたが、来年4月に延長。新型ウイルスによる市民生活や地域経済への影響に配慮した。
これにより、簡易水道事業は1500万円、水道事業では9000万円の減収が見込まれる。影響長期化も予想される中、値上げ時期の判断に関して当局側は「総合的に判断する」とした一方、安定的な事業収支維持の重要性にも言及した。
議員発議は、市の組織改編に伴う市議会委員会条例の一部改正と、復興特別委員会の設置。同委員会は議長を除く全議員で構成し、委員長は三浦隆副議長、副委員長は今野善信議員が務める。





