あすからレジ袋有料化 事業者・消費者の準備進む 気仙各地
令和2年6月30日付 7面
国によるプラスチック製買物袋(レジ袋)の有料化は、7月1日(水)から全国一斉にスタートする。気仙各地の事業者も、有料化を知らせるポスターを掲示したり、マイバスケット(買い物かご)の所持を推進する企画を考えたりと、消費者への周知や買い物の助けとなるような対策を講じている。レジ袋の代わりとなるエコバッグの売れ行きも好調で、消費者側でも有料化に向けた準備が進んでいるようだ。
エコバッグ売れ行き好調
マイバスケット推進企画も
レジ袋の有料化は、海洋プラスチックゴミ問題や地球温暖化などの解決に向けた第一歩として、マイバッグの持参といった消費者のライフスタイルの変革を促すことを目的に実施。レジ袋を扱う小売業を営む全ての事業者が対象で、レジ袋の価格や売り上げの使途は制度の趣旨・目的を踏まえて事業者が決める。
有料化の対象となるのは、消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる、持ち手のついたプラスチック製の買い物袋。袋が商品の一部となっているもの、別の法令で決められたものなど、消費者が辞退できないものは対象外となる。また、環境性能が認められる▽プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロ㍍以上▽海洋生分解性プラスチックの配合率が100%▽バイオマス素材の配合率が25%以上──の袋も対象外で、こうした袋への転換に協力を求めている。
現状では、ほとんどのレジ袋が有料化の対象になるとみられ、〝駆け込み需要〟でエコバッグの売れ行きが好調となっている店舗も。大船渡市盛町のサン・リア内に店舗を構える100円ショップ「avas’e(アバッセ)」(佐々木真紀店長)では、6月に入ってから店頭にエコバッグ専用のコーナーを設け、消費者のニーズに応えている。
サイズは大小さまざまで、シンプルで落ち着いたデザインのものから、かわいらしいキャラクターがあしらわれたものまで多彩なラインアップ。コンパクトに折りたためたり、保冷機能が付いていたり、頑丈な素材でできていたりと種類も豊富だ。
購入者は女性客が多く、異なるサイズのエコバッグを複数枚購入する人もいるという。立根町に住む40代の女性は、「コンビニのレジ袋も有料化されるので、小さめのサイズを探しに来ました。シンプルなデザインのものがあれば」と好みに合う商品を探していた。
エコバッグ専用コーナーは7月以降もしばらく続ける予定で、佐々木店長は「さまざまな種類を豊富に取りそろえている。作りもしっかりとしているので、ぜひご覧になって、お買い求めいただければ」とPRする。
また、サン・リアでは、レジ袋の有料化を広く消費者に周知するため、有料化に関するポスターを各テナントに配布。階段踊り場などにある掲示板にも貼り付けた。サン・リア事務局の小野隆幸さんは、「有料化への対応に対し、お客さまのご理解をいただきたい。マイバッグの持参にできる限りご協力を」と呼びかける。
一方、気仙内外に18店舗を展開する㈱マイヤ(井原良幸代表取締役社長)では、マイバスケットの所持を推奨している。
レジ袋の代わりとしてはもちろんのこと、会計の際に店の買い物かごから直接マイバスケットに商品を移すことで、袋詰めの手間が省けるという利点がある。また、新型コロナウイルス感染対策として、袋詰め台周辺が密になることを防ぐ効果も期待される。
マイバスケットは、全店舗のサービスカウンターで販売。今後はカラーバリエーションを増やし、マイヤ公式のデコレーションシールを発売するなど、消費者がオリジナルのバスケット作りを楽しめるような取り組みを展開する予定だ。
また、レジ袋を断った人に付与していた「エコポイント」に替わり、7月1日から「エコプラス」がスタートする。〝エコと三陸〟に重点を置いた企画で、自然に優しい商品や、三陸の海の恵みを使った商品を購入した際にポイントが付与される。
同社営業企画部の村上絵里子チェッカートレーナーは、「個性的なマイバッグやマイバスケットを楽しんだり、『海をきれいにするため』と考えたり、レジ袋有料化を〝うれしくないこと〟から〝いいこと〟に変換して、われわれと一緒に楽しく取り組んでいただけたら」と期待。
同部の長谷川秀美統括マネジャーは、「三陸の海からプラスチックゴミをなくし、きれいな状態を守りたいという旗印で取り組んでいる。販売したレジ袋の売り上げも、できる限りお客さまに還元できれば」と話していた。