〝住田らしさ〟あふれる一枚 生徒がポスターを制作 住高の入学募集(別写真あり)

▲ (右から)髙橋さん、阿部さんが中心となり制作したポスター

 県立住田高校の生徒が制作を進めていた来年度の同校入学者募集ポスターが完成した。住田町下有住の松日橋を舞台に撮影した生徒の写真が使われており、〝住田らしさ〟があふれる一枚に仕上がっている。ポスターは今後、気仙管内や近隣市町の中学校に配布される。

 

気仙の中学校などに配布へ

 

 ポスター制作は、町教育委員会が住田高校研修会館内に開設している「住高ハウス○○」を拠点に行われた。
 町教委は一昨年10月から県立住田高校の研修会館内を開放し、教育コーディネーターが中心となって放課後の同校生徒たちが自学自習などに励む環境を整備。自学自習スペースに加え、くつろぎながら生徒やスタッフらと会話ができる談話室も設けている。
 本年度からは、「何かチャレンジをしてみたい」といった思いを抱く生徒を応援する「住高チャレッジ」が始動。ポスターの制作は、この住高チャレッジ内の「デザイン部」としての活動で、2年生の阿部悠さんと髙橋真央さんの2人が参加した。
 制作に当たっては、同町の一般社団法人SUMICAのスタッフで、町の広報誌編集なども行う菅原優衣さんから指導を受けた。高校の魅力創出において先進的な取り組みを行っている県内外の高校について調べる作業も行うなどしながら、住田の魅力・自然を取り入れた作品となるよう制作に励んだ。
 15日には阿部さん、髙橋さん、菅原さん、教育コーディネーターの小宅優美さんが町教委を訪問し、菊池宏教育長にポスターの完成を報告。
 菊池教育長は「将来の仕事を決める時に、こうした経験も参考になると思う。傑作を作っていただきありがたい」と2人をたたえた。
 2人は「笑顔の写真を撮るのが難しかった」「天気が不安定なので大変だった」など、制作に当たっての苦労なども語った。
 撮影舞台に選んだのは、気仙川に架かり、増水によって流されるたびに地域住民の手で復旧されている松日橋。2人が下有住地区公民館の金野純一館長から話を聞く中で、「地域のみんなが集まる唯一の行事と聞いて、今の時代にはなかなかそういったものがないので選びました」と話す。
 「先輩、後輩関係なく仲がいいことが伝わる写真にしたかった」との言葉通り、松日橋の上では1、2年生の生徒4人が満面の笑顔を浮かべており、「自分らしく、笑おう」というキャッチコピーも添えられている。
 ポスターはA2判で計100枚制作。気仙のほか、遠野市や釜石市、大槌町の中学校に配られる。
 阿部さんは「いろんな人のおかげでポスターができた。住高への入学者が増えてくれれば」と話していた。