待ってましたSL銀河 運行開始で上有住駅でも歓迎(別写真あり)

▲ 待望の運行開始を迎えたSL銀河

 JR東日本は18日、釜石線(花巻―釜石間)での「SL銀河」運行を開始した。今年で7年目の運行で、気仙で唯一釜石線の鉄路が通る住田町の上有住駅にも停車。今年は新型コロナウイルスの影響で6月末まで運行を見合わせており、待望の運行開始を一目見ようと、関係者や町内外からの見物客らが詰めかけ、駅の周辺は活気に包まれた。
 SL銀河は、宮沢賢治作品「銀河鉄道の夜」をモチーフに改修した機関車と4両編成の旅客車で構成。定員は176人で、平成26年4月にデビューした。以降、全国の鉄道ファンらの人気を集め、観光面からの復興支援と地域活性化に貢献している。
 SL銀河を含むJRの「のってたのしい列車」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3月~6月の運転を見合わせていたが、車内設備の利用制限などを講じたうえで再開することとなった。
 SL銀河の本格運行を前にした11日には試運転が行われ、梅雨空のもと、漆黒の車体が黒煙や蒸気をあげながら山間部を駆け抜け、上有住駅にも停車して安全確認が行われた。
 今年も釜石線で土、日曜日と祝日を中心に運行。初日は、花巻から釜石に向かう下り便が運行し、停車各駅で歓迎セレモニーが行われた。
 このうち、上有住駅のホームでは、町や観光協会の関係者らが歓迎。五葉山火縄銃鉄砲隊、同協会のPRキャラクター・すみっこも出迎えに並び、乗客らの記念撮影に応じた。
 ホームに加え、駅近くのトンネル、踏切付近にも見物客が駆けつけて運行開始を祝福。山あいに響く汽笛の音や機関車の勇姿を間近で堪能した。
 遠野市から訪れた鉄道ファンの鈴木秋音君(8)は、「久しぶりに見たけど、かっこよかった」と笑顔。今年は新型ウイルスの影響によって4月から運行見合わせが続いていたため、予約していた日に乗ることができなかった鈴木君だが、「来年は乗りたい」と目を輝かせながら走り去る列車を見つめていた。
 運行は8月までとしており、通常、土曜日が下り(釜石行き)、日曜日が上り(花巻行き)として1日1本、2日間で1往復する。停車するのは花巻、新花巻、土沢、宮守、遠野、上有住、陸中大橋、釜石の8駅。
 JRによると、初日の乗車率は7割ほど。来週以降は8割を超える日も多いという。