販路拡大と町のPRを JR盛岡駅で「フェア」開催 住田の特産品など販売(別写真あり)
令和2年7月29日付 7面
JR東日本グループのJR東日本東北総合サービス㈱(本社・仙台、松木茂社長)盛岡支店主催の「住田フェア」は28日、盛岡市のJR盛岡駅を会場に始まった。新型コロナウイルスによって影響を受けている事業者を支援しようとの催しで、30日(木)までの3日間、町内の特産品を販売しながら、「住田」の名前を県都から広く発信していく。
住田フェアは、同グループが展開する「地域再発見プロジェクト」の一環。同プロジェクトは、鉄道ネットワークの特性、首都圏での販路を持つメリットを生かしながら、さらなる地産商品の掘り起こしや伝統文化、祭りなどの観光資源紹介を行い地域活性化を図るもの。
JR盛岡駅でも毎年、各地域や高校生とともに特産品の販売などを行っている。新型コロナウイルスの影響で長らく中断していたが、今回の住田フェアが緊急事態宣言解除後としては同駅での初の催事となった。
今回は、魅力発信だけでなく、新型ウイルスの影響で販路が縮小した事業者の支援にも重点を置いており、JR盛岡支社が協力した。
期間中は同駅2階北側コンコースを会場に、同町の住田観光開発㈱(松田栄代表取締役)が出店。「住田まるごとチキンカレー」「住田町産鶏ハラミ」といった町産食材を使用した商品、トウモロコシ、キュウリ、タマネギといった野菜、菓子など、同社が運営する道の駅「種山ヶ原・ぽらん」で取り扱っている商品を買い求めやすい価格で販売している。
会場となっている2階北側コンコースは、在来線口と新幹線口があり、駅内では最も人の往来が多い場所。イベント開始直後から、松田代表取締役らが元気のいい声で商品をPR。28日はあいにくの大雨によって新幹線の一部列車が運休となるなど、人影はまばらだったが、道行く人がブースの前で足を止め、出店者から商品の説明を受けながら次々と特産品を購入していった。
新型ウイルスの影響により、ぽらんの4~5月の売り上げは前年同期と比べて40%ほど減少したといい、集客を伴うイベントの開催も難しい状況にある。
松田代表取締役は、「アンテナを張り巡らせて、いろんなことにチャレンジしていかなければならない」とし「ここで住田町の名前を覚えてもらい、何かの機会に足を運んでもらえたら」と、今回のフェアを販路拡大、まちをPRする大きなチャンスと捉える。
千葉県から訪れていた会社員・進藤太郎さん(29)は、住田町に義経の北行伝説を裏付ける弁慶の足跡があることから名付けられたせんべい「弁慶の足跡」や、ゆべしなどを購入。「食べるのが楽しみ。住田町という名前は初めて聞いたが、これを機会にインターネットで調べてみようと思う」と話していた。