来年春の統合見送りへ 今後も推進協で校名など検討 大船渡中と末崎中

▲ 校名提案の流れなどを確認した第10回協議会

 第10回大船渡・末崎地区学校統合推進協議会(会長・新沼眞作末崎地区公民館長、委員24人)は27日夜、大船渡小で開かれた。大船渡中と末崎中の統合のあり方を協議する組織で、前回に引き続き校名、校歌、校章などの検討事項を協議。校名は両地区それぞれで案をまとめ、9月以降に開催される次回会議で示し合う流れで一致した。これまで、来年4月の新設統合を見据えた議論を進めていたが、校名以外にもさまざまな協議事項を抱える状況などをふまえ「来年4月の統合は難しい」との方針も確認した。

 

時期〝白紙化〟に不安も

 

 同協議会は両地区の学校、公民館関係者らで構成し、新任期の委員では6月19日以来3回目の開催。委員や学校、地域関係者によるオブザーバー、市教委職員ら30人余りが出席した。
 新沼会長は「前回までは諸事項の確認だったが、今回からはいよいよ本格的な協議となる」とあいさつ。小松伸也教育長は「教育委員会の定例会では、委員から『子どもたちは統合に向けて気持ちを一つにしている』『今の2年生は、自分たちが3年生になったら一緒になってやるという思いでいるのではないか』といった意見をいただいている。今までの協議会で出た意見を大切にしながら、個々の意見を出してほしい」と述べた。
 この日は校名や校歌、校章などの検討事項を協議。校名は、新たに設定するか、統合予定校のうち1校の学校名を採用する選択肢もあるとしたが、具体的な提案には至らなかった。
 次回の会議に向けては、大船渡、末崎の関係者がそれぞれ話し合い、校名案とその理由を書面にまとめ、互いに提案する流れを確認。提案数は限定しないが少数であれば望ましいとし、次回の協議会は9月中をめどに調整する方向性も申し合わせた。
 その後、委員の一人が「今の時点で令和3年4月というゴールで話が動いているが、厳しいのでは。時期についても認識を同じにしながら進めるべき」と発言。進行役の新沼会長も賛同したうえで「校名、校歌、校章が固まった後に時期を決めても良いのではないか。来年4月は現実的ではないのでは」と述べた。
 教委側の「来年4月の統合は行わないということでよいか」との確認に対し、異論は出なかった。一方で「いつまでも引っ張ってよいものか。(新設校に対する)生徒の期待や希望に加え、教育面の影響もあるだろう」と、時期の〝白紙化〟に不安をにじませる発言も寄せられた。
 時期に関しては、平成30年度に開催した学校統合合同協議会で「令和3年4月の統合」でまとまっていた。小松教育長は当時の経緯に言及しながら「時期が最後に示されるとなると、子どもたちや先生方をはじめ現場が大変だろうと認識している」と述べ、時期を定める重要性にも理解を求めた。
 これまでの議論では、学校統合に関しては現在の大船渡中、末崎中をいずれも閉校し、新たな学校を新設する「新設統合」で合意。校舎は大船渡中を活用する。今年3月に開かれた前任期最終となる第7回の協議・検討では、一度は承認された校名「おおふなと中」に対して再考を求める声が上がり、「校名は白紙」とした経緯がある。