夏の夜を幻想的に 昭和橋と蔵並みライトアップ(別写真あり)

▲ 8月末まで、昭和橋と蔵並みがライトアップされている

 住田町観光協会(佐々木慶逸会長)は7月31日、架け替えを控える昭和橋と、世田米の蔵並みのライトアップを開始した。今月30日(日)までの期間、午後6時ごろから10時ごろまで光がともされ、川沿いの景色を幻想的に彩る。
 蔵並みのライトアップは平成7年から続いている恒例行事で、毎年、住田町夏祭り関連イベントとして行われてきた。
 気仙川に平行する蔵並みは、世田米駅の町家が街道に面して構え、河原に近い敷地奥に蔵を建てたことから生まれた。現代的な建造物が暗闇に包まれ、昼間とは違った風情や趣がある。
 今年は新型コロナウイルスの影響により夏祭りは中止となったが、ライトアップは例年の20日間前後よりも期間を長く設定して実施する。
 昭和橋は、世田米商店街と役場などがある川向地区を結び、昭和8年に架橋。長さ73㍍の橋は気仙川沿いに立ち並ぶ蔵並みと調和し、歴史や古き良きたたずまいを感じさせる景観を形成している。
 架け替え工事は県の治水対策の一環として実施。年内をめどに仮橋を完成させ、現橋の解体に移る予定となっている。早ければ来年には現橋が解体されることから、現橋にこれまでの感謝を込めて光を当てている。
 ライトアップ初日は、日が落ちると昭和橋から上流に並ぶ蔵数棟が白や緑、オレンジの光で照らされた。昭和橋には緑と白の光が両岸から当てられ、長きにわたって地域住民の往来を支えている橋が宵闇の中に浮かび上がった。蒸し暑い日が続く中、川のせせらぎと涼しげな光がまちの夜に清涼感を与えている。
 同協会では「最後となる可能性のある昭和橋のライトアップを楽しんでいただければ」としている。