働き方の多様化後押しを コワーキングスペース「ヤドカリ」本格オープン

▲ たまご村に開設されたコワーキングスペース「ヤドカリ」が本格オープン

たまご村におしゃれ空間

 

 陸前高田市の一般社団法人・トナリノ(佐々木信秋代表理事)は、高田町の「たまご村」にコワーキングスペース「ヤドカリ」を本格オープンさせた。仮設商店街から生まれ変わった同村に洗練されたおしゃれ空間が誕生。キッズスペースやカフェエリアは利用無料で、多種多様な人の働き方をサポートする。

 

交流生む場にも位置づけ
無料カフェやキッズスペースも

 「ヤドカリ」は、たまご村1階の空き室を改修し、今月3日にグランドオープン。すみ着く貝殻を替えながら成長していくヤドカリの生態にちなみ、「仕事のため利用する多様な人がつながり合い、成長し合おう」という願いを施設名に込めた。約1カ月間協力を呼びかけたクラウドファンディングの寄付金約380万円を改修費に充てた。
 広さはオフィス、カフェ、キッズスペースの各エリア合わせて約250平方㍍。オフィス専用デスクの座席数は24席で、このほか、立ったままデスクワークできる窓際の席も4人分確保した。
 無料Wi─Fi(ワイファイ)、ロッカー、コピー機(有料)などを完備。月決めの固定席以外は毎回、空きデスクを自由に利用できる。利用料は1時間300円、1日(4時間以上)1000円。月額は1人当たり1万円で、席固定を希望する場合は月2万円。
 カフェとキッズスペースの間を仕切る壁は、子どもの遊ぶ様子をカフェ側から見渡せるよう低めに設計。カフェに用意されている飲み物類は、1日一般300円、高校生以下100円で飲み放題となっている。
 イベント用としての貸出料は、両エリアともに1時間500円。キッチンもあり、料理教室や手芸教室などでの活用を見込む。カフェには物販用ロッカー8区画を設け、月額1000円~1500円で、利用者がロッカー内に商品を自由に陳列し、販売できる。
 本来のデスクワークの利用はもちろん、さまざまな用途で利用でき、トナリノは多様な立場の人が集うことで新たな「つながり」構築を目指す。将来的には、キッズスペースに託児機能を加え、たまご村内の別室に会議用の部屋も設ける。
 トナリノ企画部スタッフで、「ヤドカリ」店長の吉田ルミ子さん(35)は「ようやくオープンし、ホッとしている。地域の幅広い年代の人たちに利用してほしいし、出張などで市外から訪れた人にも立ち寄ってほしい。さまざまな交流が生まれ、そこから新しい事業が生まれたり、それぞれのステップアップが図られる場所となればうれしい」と期待する。
 営業時間は午前9時~午後6時。問い合わせは、トナリノ(℡47・3287)へ。