町の債権総額10億6千万円 三木とランバーの破産申請 議会臨時会で町長が報告

▲ 三木、ランバーの破産申請について報告する神田町長

 住田町議会は4日に臨時会を開き、新型コロナウイルス感染症対策に伴う本年度一般会計補正予算(第4号)と、財産の取得に関しての計2議案を議決した。臨時会冒頭、町から多額の融資を受けていた同町世田米の三陸木材高次加工協同組合(三木)と協同組合さんりくランバー(ランバー)が事業継続を断念し、7月31日付で盛岡地方裁判所一関支部に破産申請したことについて神田謙一町長が報告。「今後の対応については、町顧問弁護士と相談し、対策チーム、議会とも協議しながら進めていきたい」と述べた。
 臨時会冒頭、神田町長は▽三木およびランバーでは事業継続を断念し、それぞれの代理人弁護士から盛岡地方裁判所一関支部に破産の申し立てを行い、7月31日付で受理された▽町が有する債権については、破産手続きの中で処理される通知を受けた──と報告した。
 臨時会終了後には三木、ランバーの破産申請について記者会見を開いた。神田町長は両事業体の破産について説明し、「町民の皆さまに多大なご迷惑をかける結果となったことは、おわび申し上げたい」と陳謝した。
 町によると、町の債権額は2事業体合わせると現段階で約10億6000万円。内訳は農林業振興基金からの貸付金、集成材加工施設の貸付料、町有林の原木未収分で、貸付金はこれまでに2170万円ほど返済されており、残りは約7億6800万円。貸付料は約6679万円、原木代は約2億2584万円となっている。
 町民に対する説明のあり方についても問われた神田町長は「町と町議会共通の大きな課題でもあったので、議会とも一緒になって今後の取り組み等を説明していきたいと考えている。できる限り対応を急ぐ方針だ」と語った。
 臨時会で可決された一般会計補正予算は、歳入歳出にそれぞれ3309万5000円を追加し、補正後の総額をそれぞれ56億2408万9000円とするもの。
 このうち歳出では、「使って応援住田チケット『すみチケ+』」発行に3350万円を計上。このほど販売したプレミアム率100%の「食べて応援住田チケット『すみチケ』」の第2弾となるもので、第1弾では飲食業者を対象としていたが、今回は小売店や各種サービス業、建設業まで利用用途を広げる。
 1セット1万円分(500円券20枚)を5000円で販売。8000セットの発行を予定しており、1世帯につき8セットまで購入可能。販売対象は町民と町内で働く人。チケット引き渡し時にカタログも提供する。利用期間は10月1日(木)から来年2月28日(日)までで、取り扱い店舗は現在集約中。
 財産の取得に関する議案は、学校教育現場のICT環境を整備する「GIGAスクール構想」実現のため、同町でも児童生徒1人当たり1台の端末を整備するもの。学習者用コンピュータで台数は200台。取得予定価格は1111万円。