新型コロナウイルス/感染対策費3・4億円追加 陸前高田市議会

臨時会で補正予算可決

 

 陸前高田市議会臨時会は11日に開かれ、新型コロナウイルス対策費として約3億4300万円を計上した本年度一般会計補正予算を原案通り可決した。第1次産業事業者を対象とする国の「経営継続補助金」申請者には、最大100万円の上乗せ補助を行う。今月下旬には、介護者や保護者が新型ウイルスに感染し、同居する高齢者らの見守りが困難となった場合に備え、矢作町の簡易宿泊所「二又復興交流センター」で一時預かり事業を実施する。

 

第1次産業への支援に力
二又交流セで一時預かり実施へ

 

 議案は一般会計補正予算のみで、歳入歳出に3億4361万円を追加し、補正後の総額をそれぞれ702億1333万円とした。
 主な歳出は▽教育情報ネットワーク推進事業費1億763万円▽感染症対策水産業支援事業費8250万円▽感染症対策商工業支援事業費6100万円▽高田松原地域振興施設整備事業費1864万円▽感染症対策農業支援事業費1750万円──など。
 国が創設した「経営継続補助金」制度は、感染症対策を講じたうえ、販路回復・開拓や事業継続・転換のための機械、設備の導入などを支援するため、必要経費の4分の3(最大100万円)を交付するもの。
 市は同制度の認定事業者への上乗せ支援として、漁業者に最大100万円、農業者に同50万円を支給し、負担軽減を図る。さらに、同制度の支給対象から外れるものの、感染防止のため機械導入などを計画している第1次産業事業者には必要経費の2分の1(最大50万円)を支給する。
 二又復興交流センターを活用する一時預かり事業の対象は、在宅の要介護高齢者や障害者、18歳以下の市民ら。一緒に暮らす介護者や保護者が感染した場合、PCR検査で本人が陰性と判明すれば無償で受け入れる。
 事業費は710万円を計上。市は市社会福祉協議会に運営を委託する予定。事業期間は年度末までで、最大で10人程度受け入れられるよう、今月中に環境を整える。
 「教育情報ネットワーク推進事業」は、国の「GIGA(ギガ)スクール構想」に基づいて実施する。市内小中学校全10校の児童・生徒計1066人に1人1台のタブレット端末を配り、オンライン授業を行える環境を早期に確保する。今冬、教員向けの研修を行い、タブレットの運用開始は年明けを見込む。通信環境が整っていない家庭でもタブレットを扱えるよう、Wi─Fiルーター100台も導入する計画。
 「高田松原地域振興施設整備事業」は、新型ウイルス感染対策のため、道の駅「高田松原」に屋外休憩スペースを整備するもの。道の駅西側の屋外スペースに、取り付け高さ3・5㍍の屋根を設け、飲食可能な約80人分のテーブル、イス、焼き台を設置し、集客を後押しする。本年度末までに整備し、来年度からの利用を見込む。