商品企画・共同化展開へ 「三陸SUN」の活用見据え 東京のふるさとセンター

▲ 首都圏在住の出身者らの中で定着しつつある東京都杉並区の「三陸SUN」。さらなる利活用につながる事業を見据える

 大船渡市は本年度も、首都圏の消費者傾向と地元事業者の商品力をマッチングさせる「三陸マリアージュ」事業として、商品開発や共同化の仕組みづくりを目指す。東京都杉並区にある大船渡ふるさとセンター「三陸SUN」を生かし、地域に根ざした食品や菓子、飲料、酒類などの複数商品を組み合わせたストーリー性ある商品企画に加え、効率的な配送のあり方などを検討する。
 三陸SUNは、平成29年3月にオープン。大船渡出身者や市に関心がある首都圏の住民が気軽に立ち寄り、市の物産品や情報を入手できる窓口として設け、三陸沿岸の水産加工品を中心に、菓子や飲料、酒類などの対面販売や、飲食サービスの提供を行ってきた。
 取り扱う商品は、首都圏の消費者から味や素材といった品質の良さに加え、加工技術などへの評価が得られた半面、デザインや量、商品説明表示などの面で改善が求められる商品も少なくないという。また、大船渡市出身者らが経営する飲食店などからは、調理方法の情報提供を求められ、魅力を的確に伝える発信力が課題として浮かび上がってきた。
 また、三陸SUNは、大船渡産を取り扱う飲食店と食材を結ぶ〝倉庫〟の役割を果たしている。地元事業者と首都圏飲食店を結ぶ機能も大きいことから、効率的な販路拡大への取り組みも求められている。
 こうた状況を受け、昨年度に続き「三陸マリアージュ」商品の企画・販路開拓を計画。商品試作などをもとに、商談会の開催や首都圏の飲食店・小売店などへの提案を行い、取引成立や地元飲食店での普及による観光誘客も見据える。
 また、三陸SUNでの集荷配送や、地元事業者からの効率的な商品配送につながるシステムづくりにも着手。首都圏企業での予約展示販売や、ネット販売の対応など多様化にもつなげたい考え。
 市では現在、商品企画・試作開発業務、訪問開拓・チャンネル多様化などの提案を公募。いずれも今月24日(月)までの提出を求めており、受託者を選考後、今秋以降の活動本格化を目指す。