「今年こそ豊漁を」願い強く 大型サンマ船6隻出港(動画、別写真あり)
令和2年8月18日付 1面
20日(木)の大型船サンマ漁解禁に向け、大船渡市赤崎町の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)が所有するサンマ漁船6隻が17日、大船渡町の同市魚市場を出港した。乗組員の家族や関係者、地域住民らが見送りに駆けつけ、握りしめたカラーテープに航海の無事と豊漁への祈りを込めた。近年、サンマは著しい不漁が続き、現段階では今季も厳しい見通しが示されている中、漁況が注目される。
20日解禁
月内の初水揚げ目指す
魚市場北側岸壁には、出漁準備が整った199㌧の大型サンマ船6隻が並んだ。このうち『第三 三笠丸』は今年新たに完成し、10日は大船渡湾内で披露式典を挙行。その後に船体を彩った福来旗の多くは外され、操業用の電灯が設置された。
式典には6隻の乗組員約110人に加え、同社関係者や乗組員の家族、地域住民ら合わせて約500人が来場。長期間自宅を離れるとあって、幼い家族を抱きかかえながら漁の安全を誓う姿も多く見られた。
地元演歌歌手らのステージから始まり、熱唱で大漁を祈願。さかなグルメのまち大船渡実行委員会(及川廣章代表)によるPRキャラクター「秋刀魚武士(さんまぶっしー)」の披露も行われた。
同社の鎌田和昭会長は「漁場では困難な作業が続くと思うが、健康管理を最後までしっかりしてほしい」とあいさつ。各船の漁労長には、子どもたちから花束が贈られた。
出港時、船からはカラーテープがなびき、集まった関係者らは手を振り続け、船員らの無事を祈った。岸壁だけでなく、魚市場展望デッキにも多くの住民らが見守り、基幹産業を支えるサンマ漁への期待の高さをうかがわせた。
6隻とも北海道・花咲港を目指し、20日の解禁に備える。同社では、今月中の大船渡への初水揚げを目指すとしている。
国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所がまとめた8~12月における道東~常磐海域での海況・サンマ漁況の見通しによると、漁期を通じた来遊量は昨年を下回り、極めて低調に推移すると予測。今月、すでに北海道で出漁した小型船の漁獲は振るわず、今季も厳しい見通しが広がる。
「第三 三笠丸」の清枝光臣漁労長(77)は「毎年同じだが、できる中でがんばるしかない。ただ、今の状況ではロシア海域も含め厳しいのではないか」と語る。鎌田社長は「今年は5~7月に公海での本格操業がなかったため、手探りの状態。ただ、サンマはいないわけではない。昨年よりも良くなるのでは」と期待を込める。
昨年の大船渡へのサンマ水揚げ実績は前年比62・9%減の6448・7㌧で、金額は同35・2%減の20億2856万円。数量、金額ともに本州1位を維持したが、平成11年以来、20年ぶりに1万㌧を割った。
サンマの水揚げ動向は、市内の産業・経済に大きな影響を及ぼす。魚市場の千葉隆美社長は「大船渡は地元大型船があるだけ恵まれてはいるが、今は漁況が好転して、おいしいサンマが届くことを信じて待つしかない」と話していた。






