若者世代が語り合う 町民と首都圏在住者 住田でトークイベント

▲ 住田と首都圏をオンラインでつないでトークイベントが開かれた

 住田町の一般社団法人・SUMICA(村上健也代表理事)主催の「オールナイトスミタ─6%の希望よ、集まれ─」は20日夜、同町の住民交流拠点施設・まち家世田米駅で行われた。町が本年度開始した「住田つながり創出(コネクリエーション)プロジェクト」の一環。同日は住田町と首都圏に住む若者たちが、町内外それぞれの視点で住田町についてオンラインで語り合い、参加者同士のつながりを深めた。

 

オンラインでつながる

 

 町では本年度、町内と都市部に居住する若者世代の交流を通じた将来的な地域のにぎわい創出などを目的として、同プロジェクトを開始。町内、町外の人材を掘り起こし、ネットワークの構築を図っている。
 今回のイベントには町内在住者と、同町出身の首都圏在住者や住田に関わりのある人など、20代〜30代の合わせて12人が参加し、さまざまなテーマについてオンラインでトーク。イベントサブタイトルの「6%の希望」は、同町の令和2年度6月末時点の人口比率で、20代が6・1%となっていることから付けられた。
 県外者に対して住田町をどう紹介しているかというトークでは、「『風の又三郎』の舞台になった種山ケ原のあるまち」「自然豊かな地域」など、地元に誇りを持ちながら紹介しているという町内在住者が多かった。
 町内の少規模校の良さについては、「みんなの顔が分かる」「大人になって集まった時に、全員で思い出を共有できる」といった声が上がった。
 一方、町外出身者から見た住田の魅力については、気仙川に架かり、増水によって流されるたびに地域住民の手で復旧されている下有住地区の松日橋が話題に。
 町内出身で現在は地元を離れている参加者からは、帰省時には上有住地区の鏡岩せせらぎ公園で遊んだり、滝観洞に行くなど、〝住田人〟ならではのエピソードも紹介された。
 一方、外から見た課題では「移住してすぐの時に、生活関連情報が分からなかった」といった意見もあった。
 参加者の一人、菊田洋一さん(26)は、県立高田高校から神奈川県の大学に進学し、大学卒業後は町職員として働いている。イベントを終え、菊田さんは「移住者からの意見もあり、町内にいると気づけないこともじかに聞くことができたので、それを改善していけたら」と今後の職務へのヒントとし、「住田にも若い人がいるということを知ってもらう機会になれば」と話していた。
 町では今後も、イベントを開催しながら人材を把握し、人から人へとさらに「横のつながり」を広げていくこととしており、若者世代の多くの参加を呼びかけていく。