新型コロナウイルス/〝秋の運動会〟練習始まる 気仙3市町の小中学校で

▲ 運動会成功に向け練習に熱を入れる高田東中の生徒ら

 新型コロナウイルスの影響で延期されていた気仙の小中学校の運動会が、9月から10月にかけて各校で行われる。秋開催という異例の状況下、本番の日が迫っている各校の児童・生徒らは、伝統ある行事の成功に向けて応援や団体で挑む種目の練習などを本格化。各校教職員らも、新型ウイルス感染防止の対策を講じながら当日に備えている。

 

9~10月に実施へ

感染対策講じながら準備

 

 児童・生徒が学年の枠を超えて交流し、最高学年がリーダーシップを発揮する運動会。例年であれば新学期が始まって間もない5月に実施される行事だが、今年は国内での新型ウイルス感染拡大を受け、気仙の小中学校全30校が秋への延期を決めていた。
 各市町教委によると、気仙でトップを切り運動会を実施するのは、9月3日(木)の綾里中(大船渡市)。その後は、10月末までの土、日曜日を中心に行われる予定となっている。
 このうち、陸前高田市の高田東中(伊東孝志校長、生徒165人)では、9月5日(土)に運動会を行う。今月19日に結団式を実施して以降、赤白各組団が本番に向けて練習を行っている。
 24日は、生徒らが密を避けるため体育館や多目的ホールなど広い場所に分かれ、換気をしながら練習に臨んだ。
 体育館では、白組の生徒らがパフォーマンス練習を実施。3年生が先頭に立ち、自分たちで考えた創作ダンスを後輩たちに指導しながら、チームの結束力を高めた。
 生徒らは1学期中、延期となった運動会の代替行事として、組団ごとにレクリエーションを実施。3年生は、後輩たちをけん引できるよう夏休み中も集まって練習を重ね、本番に向けて準備を進めてきた。
 白組リーダーの佐々木由海(よしみ)さん(3年)は「いつもと違う〝新しい運動会〟を追い風にして、赤組の連勝を阻止したい。みんなで心を一つにして行事を成功させる」と、秋開催を前向きに捉える。
 赤組リーダーの吉田羽那(はな)さん(同)も「一時は運動会ができるか分からない状況だった。実施が決まったので、恐れることなく、今年もみんなと赤組優勝を目指したい」と意気込んでいた。
 同校では、新型ウイルスの感染者が発生しないよう、運動会の開催形式について検討を続ける。PTAとも連携し、当日来場できる保護者を生徒1人につき2人に制限することや、当日の検温、マスク着用、手指消毒などを呼びかけることとしている。