協力体制をさらに強化 「包括的連携協定」を締結 住田町と日本郵便(別写真あり)

▲ 神田町長㊧と残間局長が署名を交わして協定を締結

 住田町は8月31日、日本郵便㈱と「包括的連携協定」を締結した。高齢者や子どもたちの見守り活動、道路損傷の情報提供に加え、日常の防災活動や大規模災害発生時においても連携しながら対応していく。人口減少、少子高齢化が進んで地域活動などの担い手が不足する中、郵便局がこれまで培ってきた地域住民との〝顔の見える関係〟やネットワークを生かして、連携しながら地域活性化や町民サービス向上へとつなげていく。

 

新たに災害発生時の対応も

 

 日本郵便では、全国各地に張り巡らされた郵便局ネットワーク網を背景に、住民サービス向上や地域活性化などを目的とした地方公共団体との協定締結を進めている。
 これまで住田町とは「地域の見守り」「不法投棄の監視」の個別協定を平成14年に締結し、町民の安心・安全に向けて協力体制を構築してきた。
 包括的連携協定については、これまでに構築してきた協力体制を発展させ、新たな分野での連携も推進しようと、昨年8月から町と住田郵便局で協議を重ねてきた。県内での包括的連携協定締結は住田町が9件目、気仙2市1町では同町が初となる。
 締結式は同日、町役場町民ホールで開かれ、町からは神田謙一町長、横澤孝副町長、山田研総務課長、日本郵便からは住田郵便局の残間潤局長はじめ、大船渡、上有住、広田、大股、下有住の各郵便局長、東北支社経営管理部の堀江敏幸専門役らが出席。神田町長、残間局長がそれぞれ協定書に署名し、協定が締結された。
 神田町長は「町民の安心・安全、地域の活力向上に寄与していただけるものと期待している。今後とも双方がよりよい関係を保ちながら連携・協力をしていきたい」と、残間局長は「地域活性化、地方創生の一助になればと思う」とあいさつした。
 協定対象局は住田、上有住、大股、下有住、大船渡の5郵便局で、町との連携項目は▽日常の防災活動および大規模災害発生時の対応に関すること▽高齢者や子ども等の見守り活動に関すること▽道路損傷等の情報提供に関すること▽不法投棄と思われる廃棄物等の情報提供に関すること▽地域・暮らしの安全・安心に関すること▽地域の経済活性化──の6項目。
 このうち、「日常の防災活動および大規模災害発生時の対応」では、平常時は相互の防災計画の状況などについて情報交換を行い、安否情報等の連絡体制を整備するために方策を協議して連携強化を図る。
 町内で災害が発生した際は、緊急車両としての車両提供、町または日本郵便が収集した被災者の避難所開設状況や被災者の同意の上で作成した避難先リストを相互提供するなどしていく。
 「高齢者や子ども等の見守り活動」に関しては、郵便局が町内で業務を行う際、高齢者や子どもの登下校時の日常生活で異変を察知した場合に住田町へと情報を提供する。
 「地域の経済活性化」では、ふるさと納税の取り組み支援、観光物産展等への協力、郵便局ネットワークを活用した地域活性化支援を展開していく。
 現在、住田町内の4郵便局では、計28人の社員が窓口対応や郵便配達などの業務に当たっており、配達、戸別訪問活動を行うため12台の車両が配備されている。
 連携協定締結により、双方の人的、物的資源を有効に活用し、町民サービスの向上や地域活性化に取り組んでいく。
 神田町長は「少子高齢社会の中で、住民と〝顔の見える関係〟を築いている郵便局の存在は本当に心強く、ありがたい」と話していた。