被災跡地にイチゴ実る 越喜来の栽培施設で初収穫 リアスターファーム(別写真あり)
令和2年9月2日付 7面
陸前高田市米崎町の㈱リアスターファーム(太田祐樹代表取締役)は1日、大船渡市三陸町越喜来字沖田地内(浦浜地区)の被災跡地に整備したイチゴ栽培施設で、初めての収穫を行った。従業員らがハウス内で赤く色づいたイチゴを1個ずつ丁寧に摘み取り、この日は6㌔を収穫。イチゴはサイズ分けなどの作業を経て、気仙両市などの洋菓子店に出荷する。同社では今後、12月のクリスマスに向けて生産量の拡大を目指していく。
生産量の拡大目指す
太田代表取締役(43)は、県農業研究センターの研究員として平成26年に大船渡市に移住し、陸前高田市米崎町の園芸研究施設でイチゴの周年栽培を研究。夏は冷涼で冬は暖かいという県沿岸部の気候を生かし、冬から春にかけてが旬のイチゴを通年にわたって収穫する技術開発に成功すると、30年に就農、昨年2月に同社を立ち上げた。
三陸町越喜来のイチゴ栽培施設は、東日本大震災による被災跡地に大船渡市が整備した産業用地(面積約0・9㌶)に建設。施設整備は昨年度からの2カ年計画で進めており、間伐材を用いた木骨ハウスによる育苗用ハウス1棟、栽培用ハウス4棟、作業棟1棟など(総施設面積約5000平方㍍)を設ける。
今春には、昨年度整備分の育苗用ハウス、栽培用ハウス1棟、作業棟などが完成。太田代表取締役と従業員2人、研修生1人の4人体制で、四季なりイチゴの「信大BS8─9」「なつあかり」「夏の輝(かがやき)」を生産している。
このうち、1日は7月頭に定植した信大BS8─9を収穫。同品種は香りが強く、甘さと酸味のバランスがとれており、日持ちもいいという特徴を持つ。
栽培棟には現在、2700株の信大BS8─9が定植されており、ハウス内にはイチゴの甘い香りが漂う。収穫作業では、従業員と研修生が分担し、赤く色づいた1〜3㌢大のイチゴを丁寧に摘み取っていった。
8月の暑さにより、果実はやや小さめのものが多いが、味に影響はないという。この日収穫したイチゴは、鮮度を保つために冷蔵庫で予冷後、サイズごとに分け、気仙を中心とした県内の洋菓子店に出荷する。
越喜来では今月中に、新たな栽培棟1棟が完成する予定。12月のクリスマスに合わせてイチゴを供給できるよう、今後は新しい栽培棟も含めて追加分の7500株を定植し、今シーズンは総量で2㌧の収穫を目指す。残る建設中の栽培施設は、年度内の竣工を予定する。
太田代表取締役は、「越喜来は海風が入って涼しく、イチゴの栽培に適している。ここを選んでよかった」と笑顔。「やっと越喜来でのスタートラインに立てた。事業の安定に向けて通常供給の体制を整え、栽培に携わる人材の育成にも取り組みたい」と意欲を見せている。





