新拠点活用し世代間交流 小学生と高齢者が種まき 綾里地区緑地広場(別写真あり)
令和2年9月9日付 7面

大船渡市三陸町綾里の綾里地区まちづくり委員会(佐藤榮委員長)は7日、春に完成した綾里地区緑地広場(愛称・あやさとふれあい広場)の隣に畑を設け、秋野菜の種まきを行った。作業には、綾里小学校(熊谷賢校長)の4年生20人と地元の老人クラブ・綾里いきいきクラブ(橋本健次会長)の会員らが参加し、野菜の成長に期待を込めながら世代間交流を深めた。同委員会は今後、広場で収穫祭も予定しており、他事業も企画しながら地域の新たな交流拠点の活用を進めていくとしている。
隣接地に整備した畑で
同広場は、東日本大震災津波で被害を受け、市が防災集団移転促進事業で買い取った被災跡地を活用。住民らとの協議を踏まえ、市が地域の交流、憩いの拠点として整備した。
面積は約2400平方㍍あり、砂利敷きの広場を中心に、あずまややや水飲み場、ベンチなどを設置。今年春に完成、供用を開始し、管理は同委員会が担っている。
同委員会では当初、5月にオープニングセレモニーを計画していたが、新型コロナウイルスの影響を受けて開催を見送った。一方で、宝くじのコミュニティ助成事業を活用し、広場の環境整備や交流事業に取り組むこととした。
今回企画した種まき作業は、この助成事業による活動の一環で、世代間交流や高齢者の健康、生きがいづくりが目的。畑は地域住民から広場に隣接する遊休農地75平方㍍を借り受け、いきいきクラブの協力を得て設けた。
児童や同クラブの会員、同委員会の関係者、講師の県農業改良普及センター職員ら約40人が参加。子どもたちと女性会員は同センター職員から指導を受けながら種まきを、男性会員らは畑周辺に鳥獣被害予防の網を張る作業を行った。
児童らは、種まき係や土をかぶせる係などと役割を分担。地域のおばあちゃんたちと協力しながら畑にダイコンとハクサイの種をまき、成長に願いを込めた。
畑は今後、同クラブが中心となって管理。秋野菜は順調に生育すれば、2カ月ほどで収穫できるという。
児童の小西結菜さん(9)は「初めて種をまけて良かった。ダイコンなどがちゃんととれるようになればと思う。収穫できたら食べてみたい」と笑顔。
子どもたちとの交流に、橋本会長(83)は「こうした機会はなかなかなく、いい時間を過ごせた。子どもたちが収穫し、喜んでもらえるよう管理をしていきたい」と目を細めた。
同委員会では、世代間交流として収穫作業や収穫祭も計画。来年以降は作物を増やし、年間を通じて野菜の栽培に取り組みたいとしている。
また、今後は広場を利用したニュースポーツ体験会、10月にはオープニングセレモニーの代替イベントも計画。地域に誕生した新たな交流拠点を、世代を超えた住民らの交流、コミュニティーづくりに活用していく考えだ。
佐藤委員長(80)は「今後も地域のさまざまな団体や学校と連携しながら、広場の活用を図っていきたい」と話している。