コロナ流行下も人出  久々のにぎわい見せる 気仙の観光地(別写真あり)

▲ 4連休後半の21日も多くの人が訪れた陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園

 最大4連休となる「シルバーウイーク」後半の21日、気仙各地の観光地では新型コロナウイルス感染症の影響下にもかかわらず、多くの人の姿が見られた。緊急事態宣言に伴う外出自粛要請などによって、今年これまでの大型連休は気仙も客足が遠のいていたが、国などが予防と社会経済活動の両立を掲げる中で、久々のにぎわいを見せている。

 

秋の4連休

 

 4~5月のゴールデンウイークは新型ウイルス感染症拡大防止に向け、都道府県をまたぐ移動の自粛などを呼びかける国の緊急事態宣言があり、夏には古里への帰省を控える動きが全国的にみられ、気仙の行楽地は冷え込んだ。
 こうした中、国が予防と社会経済活動の両立を掲げ、冷え込んだ国内観光を後押しする「Go Toトラベル」事業などを展開する環境下で迎えたシルバーウイーク。先週土曜日の19日から「秋分の日」の22日まで、最大4連休となるもので、閑散としたゴールデンウイークやお盆とは違って人出が見られる。
 21日の気仙地方は高気圧に覆われて晴れ、3市町の日中の最高気温はおおむね24度台で秋らしいさわやかな天候に恵まれ、各地で行楽客の姿が見られた。
 このうち、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園では正午前、一般車両136台分の駐車場がほぼ埋まった。県内や東北のほか、関東方面などのナンバーが見られ、ツーリングのバイクも30台ほどが並んでいた。
 訪れた人たちは多くがマスク姿で、「海を望む場」から再生途上の松原や広田湾を眺めたり、「奇跡の一本松」をカメラに収めたりしながら、思い思いに過ごしていた。
 東日本大震災津波伝承館や道の駅・高田松原にも、多くの人が立ち寄った。
 両施設は震災の教訓や復興の発信、にぎわい創出の場として昨年9月にオープン。ゴールデンウイーク時には新型ウイルスの緊急事態宣言を受け、両施設を含めた復興祈念公園が閉鎖されたが、その後、手指消毒や入り口での検温といった感染症予防対策をそれぞれにとりながら再開。8月までの累計来訪者は伝承館で20万人、道の駅は50万人を超えるなど注目を集めている。
 この日、盛岡市内から足を運んだという家族は「屋外で感染症のリスクは低いと考え、伝承館と道の駅ができてから初めて来てみた。まわりの様子も眺め、復興までは大変な道のりだと改めて思った。少しでも応援になるように、道の駅ではたくさん買い物したい」と話していた。
 一方、大船渡市末崎町の三陸復興国立公園・碁石海岸では、遊歩道を散策する人が多く見られ、ゴールデンウイークや「帰省控え」で閑散とした状況とは一転して活気づいていた。
 緊急事態宣言時に営業自粛措置をとった㈱海楽荘(志田豊繁社長)が運営する大船渡町の大船渡温泉は、感染予防を徹底しながら営業。シルバーウイーク中の宿泊予約は約500人となっているという。
 同温泉によると、宿泊客の8割ほどが県内からとなっているのが特徴で、そのほとんどが「Go Toキャンペーン」や県の「地元の宿応援割」、大船渡市による「大船渡に泊まってHappy!大作戦」を利用しているといい、これら宿泊観光支援策の効果をうかがわせる状況となっている。