住田フーズに知事表彰 障がい者雇用優良事業所 さらなる環境充実に意欲 県

▲ 障がい者雇用優良事業所として住田フーズが県知事表彰を受賞

 県は、障害者を積極的に雇用しているとして、住田町世田米に本社を置く住田フーズ㈱(加納雄三社長)に「障がい者雇用優良事業所県知事表彰」を贈った。同社では表彰を励みに、さらなる職場環境充実に取り組む意欲をみせている。
 9月の「障害者雇用支援月間」に合わせ、県では障害者の職業的自立の意欲を喚起するとともに、県民に対して障害者雇用への関心理解を深めてもらおうと毎年表彰を行っている。今年は、障がい者雇用優良事業所として、住田フーズを含む県内2社が表彰された。
 表彰式はこのほど盛岡市のいわて県民情報交流センターで行われ、同社の米元秀史常務(50)が出席。県商工労働観光部の戸舘弘幸部長から表彰状を受け取った。
 米元常務は「諸先輩方が培ってきたことを評価していただき光栄」と表彰を喜ぶとともに、「さらなる雇用、環境作りを充実させて雇用促進につなげていきたい」と話している。
 同社は昭和46年、当時の住田町農協と傘下のブロイラー生産農家が出資者となり「住田ブロイラー㈱」として設立。産地、生産者、飼育方法などを明確にした「安心・美味・新鮮」のこだわりのチキンとして「みちのく清流鶏」などを生産している。
 町の基幹産業として、積極的な雇用を通じて障害のある人の生活を守ることで地域に貢献したいとの思いから、就労を希望する障がい者を採用してきた。
 現在は、社員295人のうち障害者13人(うち重度1人)が在職し、29年超の勤続年数者もいるなど職場定着も良好だ。幅広い業務があるため、それぞれの適性にあった部署で働くことができているという。
 同社の障害者雇用率は4・6%で、法定雇用率の2・2%を大きく上回っている。職場環境改善に関しては、肢体障害者の階段昇降の不自由改善に向け、片側のみだった階段の手すりを両側に設置したほか、休憩室の座卓をテーブルへ変更する計画などもあり、支援体制も整っている。こうした取り組みが評価され、平成10年には、県障がい者雇用促進協会会長表彰も受けている。