〝地域の足〟確保へ 「役場中井線」の運行開始 町コミュニティバス

▲ 運行が始まった町コミュニティバスの「役場中井線」

 住田町は10月から、コミュニティバスの新設路線「役場中井線」の運行を開始した。岩手県交通㈱が運行していた「中井線」(県立大船渡病院─大股中井)が9月末で廃止となったことを受けての代替運行で、既存の2路線に加え、新たに町役場を起点、大股中井を終点とする役場中井線を開設した。今後、毎週火、金曜日に1日2便ずつが運行しながら、〝地域の足〟としての役割を果たしていく。

 

毎週火、金曜日に2便ずつ

 

 県交通の中井線は、利用者の減少に伴って運行が難しい状況の中、国庫補助金である被災地特例を受けながら大船渡市の県立大船渡病院から住田町の大股中井区間を運行してきたが、被災地特例の交付期限を迎えたことや、バス利用者の減少、運転手不足による路線の維持が困難なことから見直しが行われ、廃止が決まった。
 これを受け、町は空白路線をカバーし、さらに町民の利便性確保を図るために、コミュニティバスによる代替運行案を作成。既存の「川口上有住駅線」「八日町遠野駅線」に加え、新たに役場中井線を開設するもので、8月に開かれた町公共交通会議、9月の町議会定例会での議決を経て運行開始に至った。
 役場中井線の運行路線は、廃止された中井線の川口─大股中井間に加え、川口から町役場までの区間も含んでいる。自由に乗り降りできるフリー乗車区間は、住田高校前から小股までの区間を除くすべてが対象となっているが、役場─住田高間は道路の混雑を避けるために基本的にはバス停のみの停車となる。
 運行日は火、金曜日で、運行本数はそれぞれ2便。出発時刻は役場発の第1便が午前8時、第2便が午後2時、大股中井発の第1便が午前8時30分、第2便が午後2時30分となる。
 料金は、役場から川口を「世田米エリア」、川口から大股中井を「大股エリア」とし、同一エリア内は100円、エリアをまたぐと200円。
 一方、県交通では、大船渡病院─住田高校前間について、同校の生徒も利用することから、時刻や便数を調整したうえで「大船渡住田線」を新設し、今月1日から運行を開始している。
 今後、公共バスを運行するうえで多くの要望を取りまとめる必要があり、バス事業者の方針や町の財政面など課題も生じることから、町では地域の声を聞き取り、住民が利用しやすい公共バスのあり方を考えていく。
 コミュニティバスについての問い合わせは、町町民生活課生活係(℡46・2113)まで。