サンマ 今季初の100㌧超え 大型船5隻が水揚げ 大船渡市魚市場(別写真あり)

▲ 4日ぶりとなるサンマの水揚げ
大船渡港さんま直送便事業も本格化

「直送便」宅配事業も本格化

 大船渡市魚市場で10日、今季初めて100㌧を超えるサンマの水揚げがあった。これを受け、大船渡水産物商業協同組合(新沼哲理事長)による「大船渡港さんま直送便」事業も同日、第1便を出荷。ようやく「サンマのまち」らしい活気に包まれた。
 この日水揚げを行ったのは、同市の鎌田水産㈱が所有する199㌧の大型船5隻。これまでは20㌧未満が続いていたが、この日の水揚げ量は102㌧で今季最多。9月以前よりも魚体は大きく、1匹140㌘を超える大型の割合も多かった。
 このうち、早朝に入った「第十一 三笠丸」は、ロシア海域で漁獲後に約30時間をかけて戻り、25㌧を水揚げ。吉田勝一船長は「漁に出た最初よりは良くなっているし、場所によっては大きいのも入ってきている。値段もいいのでは」と話していた。同船分のサンマは、1㌔あたり900円〜610円で取引された。
 魚市場関係者や水産加工業者だけでなく、小売業者も多く岸壁に詰め掛け、あわただしくサンマを確保。多くのフォークリフトやトラックが行き交い、盛漁期ならではの雰囲気が広がった。
 同組合による「さんま直送便」事業は、8月5日から予約の受け付けを開始し、今季初めて500箱余りを出荷。これまでに、全国各地から8000箱近い申し込みがあるという。
 町内の作業場ではサンマの大きさごとに仕分け、丁寧に箱詰め。関係者はあわただしく手を動かしながら「大きいのもなかなか多いな」「久しぶりの作業だ」といった声を上げ、初出荷の喜びを込めた。
 同組合の佐藤謙二参事は「とりあえず第1便を出すことができてホッとしている。今年はイベントがなく、そこでの予約はなかなか取れないが、毎年注文されるリピーターが多い。これからどんどん出すことができれば」と話していた。