一部区間が供用開始 今後は歩道など整備 県道丸森権現堂線

▲ 改良整備が進む県道丸森権現堂線の一部が開通

 県が大船渡市大船渡町永沢地区内で進める「大船渡漁港海岸高潮対策(永沢地区防潮堤その3)ほか工事」のうち、県道丸森権現堂線改良整備の一部区間で車道部分の改良整備が完了し、30日に供用を開始した。同工事の工期は来年3月15日までで、今後は残る区間の改良や歩道、防潮堤の整備などを行う。
 この工事は、東日本大震災前には無堤区間だった海岸に防潮堤を新設するもの。永沢地区内では海沿いではなく、県道から山手側のJR大船渡線BRT専用道ののり面に沿って防潮堤(高さ7・5㍍、延長約960㍍)や陸こう4カ所を建設し、区間内における県道丸森権現堂線(延長約800㍍)の改良整備も実施する。
 総工事費は約18億円で、このうち県道改良分は約1億7000万円。㈱明和土木などが施工を担当しており、平成30年10月5日に着工した。
 今回一部開通した区間は、同町字笹崎の大船渡湾冷凍水産加工業協同組合(大船渡ワンレイ)付近から同町字永沢の㈱毛利付近までの約420㍍で、改良対象となったのはこのうち約300㍍。全幅員は11・5㍍で、車道は2車線合わせて8㍍、海側のみに幅3・5㍍の歩道を設ける。区間内には1号陸こうも整備された。
 この改良区間は工事期間中、全面通行止めとなり、盛町方面から市魚市場に向かう場合は海側の臨港道路を迂回(うかい)していた。今回の供用開始により、盛町方面や大船渡駅周辺地区から市魚市場へのスムーズなアクセスが可能となった。
 工事は今後、同区間内の歩道整備のほか、防潮堤完成後に県道の残り区間(延長約480㍍)の改良、3カ所への陸こう設置などを進める。
 作業は順調に進んでいるといい、県大船渡水産振興センター漁港管理課では「今後も安全に注意しながら整備に取り組んでいく」としている。