高田北幹線が全線で利用可能に 未開通区間きょう開通 市整備の都市計画路

▲ 31日午前10時から一般の利用が始まる道路区間

 陸前高田市が高田町内で整備を進めていた県立高田病院や高田小学校前、高台住宅地を通る都市計画道路・西和野山苗代線(延長920㍍)の未開通区間110㍍の工事が完了し、31日午前10時から利用開始される。これにより、同線を含む高田北幹線が全線開通することとなり、市中心部の高台を東西にスムーズに移動できる。通学路としても利用が見込まれるため、市はドライバーに安全運転を呼び掛けている。

 

高台の移動スムーズに

 

 同線は平成26年3月、東日本大震災からの早期復興を図る道路として都市計画決定を行い、同年度に着工。総事業費は約17億円。30年1月以降、順次、部分開通してきた。
 道路沿いには高田病院、高田小、保健福祉総合センターが立ち、そばには高田保育所もある。海側から山側へ南北を結ぶ広幅員の主要避難路「シンボルロード」と交差する。
 新たに開通する区間の幅員は14㍍。片側1車線で、両側に3・25㍍ずつ歩道を設けた。事故防止のため減速帯を2カ所に設置した。
 同線を含む高田北幹線は鳴石団地、市役所庁舎前を通る。今回の開通で三陸沿岸道路「高田道路」の陸前高田インターチェンジ(IC)前までの同幹線が一本につながり、利便性が増す。
 さらに、市は同線東端と主要地方道大船渡広田陸前高田線(通称・アップルロード)を山側で結ぶ市道高田米崎間道路(延長約2㌔)を整備している。10以上の工区に分けて工事を進めており、年度内の完成を目指す。開通すれば、アップルロード~高田病院~陸前高田IC間を震災の津波浸水エリアを避けて移動できる。
 同市では、震災で国道45号をはじめ主要道路が津波被害を受けた。一時、山側を通る農免道路の交通量が増加したが、線形不良などで安全面に課題があった。
 市は、震災を教訓に幹線道路の整備などを通じた多重防災型のまちづくりを進めている。昨春にはシンボルロードが開通し、安全な道路交通網の延伸が進んでいる。
 市幹線道路対策室の大友真也課長は「近隣住民や工事業者のご協力で開通に至り、市民の利便性が増す。防災、医療、産業面などさまざまな分野で効果が期待できる道路ネットワークを広げるため、高田米崎間道路の整備もしっかり進めていく」とし、「北幹線は通学路になり、高田保育所もすぐそばにある。交通安全に配慮した利用をお願いしたい」と注意を促す。
 開通区間は別図の通り。