五輪聖火が住田にも 県内5町村で巡回展示

▲ 3月に聖火が展示される住田町役場

 総務省はこのほど、新型コロナウイルスの影響により来夏に延期された東京五輪の聖火を、11月から来年3月にかけて本県を含む14道府県で巡回展示すると発表した。県内では、聖火リレーのルートから外れた住田町など5町村で3月に各1日ずつ展示する予定。この展示により、聖火リレー本番と合わせて、県内すべての市町村をオリンピック聖火が照らすこととなった。

 

来年3月に

 

 聖火の展示は、東京2020オリンピック・パラリンピック聖火事業等岩手県実行委が、総務省の地方創生事業である聖火展示事業を活用して実施。東日本大震災から10年を迎える来年3月に、「復興五輪」の象徴でもある聖火を展示し、発災以降に世界中から寄せられた支援への感謝、復興への誓いを新たにするとともに、新型ウイルスを乗り越えて行われる東京2020大会の聖火を地域の子どもたちに間近で見てもらうことで未来につなげる契機にしようと行う。
 東京五輪は当初、今年7月24日~8月9日の日程で開催を計画。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国際オリンピック委員会などは今年3月に1年の延期を決め、聖火リレーを取りやめた。
 この時点で聖火はすでに日本に到着しており、今年3月に「復興の火」として大船渡市と住田町を含む東日本大震災の被災地で展示されていた。現在は、大会組織委が保管している。
 東京五輪の聖火リレーは来年3月25日(木)に福島県のJヴィレッジでグランドスタートし、7月23日(金)までの期間で行われる予定。
 本県では6月16日(水)から18日(金)にかけて、大船渡、陸前高田両市を含む被災した全沿岸市町村など、3日間で28市町村、計64㌔の道のりを約280人のランナーが走って聖火をつなぐ。
 聖火の展示は、リレーのルートではない住田町、葛巻町、西和賀町、軽米町、九戸村で3月12日(金)から16日(火)にかけて行う(各市町の展示日は調整中)。このうち、住田町では町役場を会場に実施する。
 同町の神田謙一町長は「町民も聖火に触れ合う機会となる。オール岩手でともに五輪に参加するという意識にも寄与するものだと思う。日本全体での盛り上がりにもつながっていけば」と話している。
 達増拓也知事は「聖火の展示に本県が採択されたことは大変うれしく思う。県としては、展示会場となる5町村と連携し、新型コロナウイルス感染症対策をしっかり行ったうえ、復興支援への感謝、復興への誓いを込めて聖火を迎えたい」とのコメントを発表した。