三陸沖漁場〝持続〟なるか 大船渡市魚市場(別写真あり)

▲ 今季最多となるサンマ船11隻が水揚げし、活気に包まれた入札

 大船渡市魚市場に4日、今季最多となるサンマ棒受網船11隻が寄港し、計303㌧を水揚げした。三陸沖に漁場が形成され、さらに3日から4日にかけて、しけ模様となったことなどが要因で、入札が2カ所に分かれて行われるなど、今季これまでみられなかった〝活況〟が広がった。8月に始まったサンマ漁も後半に入り、関係者は三陸沖での漁場形成が長く続くかに関心を寄せる。

 

サンマ船今季最多11隻水揚げ

 

 3日から4日にかけ、本州付近は西高東低の気圧配置となり、気象庁は県内全域などに強風注意報を発令。普段は静穏な大船渡湾内も、波が立つしけ模様となった。
 魚市場には3日夜から、大型サンマ船が次々と接岸。サンマ船の水揚げは普段、旧施設があった南側で行われるが、この日は北側にも入った。
 4日の入札は南側岸壁だけで足らず、場内でも実施。この日の大船渡の最低気温は6・5度で、平年比で0・5度上回ったが、時折吹き付ける強風が寒さを感じさせた。
 11隻の合計水揚げ量は303㌧で、先月30日以来となる今季4度目の300㌧超え。入札の結果、1㌔338円~530円で取引された。
 今季のサンマ水揚げは8月29日が初日で、10月までの最多寄港は6隻。買受人からは「今年なかった光景」「大型船だけで10隻以上がある日はなかなかない」といった声が聞かれた。
 南側岸壁で水揚げした宮城県塩竃市の「第十八漁栄丸」(浅野修船長、199㌧)は、3日までに釜石の東方沖で25㌧を漁獲し、13時間かけて大船渡に入った。浅野船長(53)は「サンマはいるといえばいるけど、当たりが続かない。どこの海域も、今季は同じ感じ。それだけ群れが薄いということ」と話す。
 大型船は満船状態であれば100㌧超の水揚げが可能だが、この日は10㌧~40㌧台。同船長は岸壁に並ぶ漁船を見つめ「満船で帰ってきたのではなく、今はさらに上向くことを願うしかない。こういう風に漁船が並び、もっと港が活気づけば」とも語った。
 県水産技術センター水産情報配信システム調べによると、今年10月の同魚市場に水揚げされたサンマ(棒受網船、生鮮)の水揚げ量は2003㌧で、金額は9億5477万円。1㌔あたりの平均価格は476・63円となっている。
 昨年10月との比較では、水揚げ量では479㌧、金額では3億6764万円上回る。平均価格も、今季の方が90円余り高い。
 昨年も記録的な不漁に見舞われ、今季実績も例年比では大きく下回る半面、全国的に苦境にあえぐ中で同魚市場の健闘ぶりも目立つ。大船渡魚市場㈱の千葉隆美社長は「地元の漁船や、買受人をはじめ、関係者が頑張っている結果で、感謝しかない」と語る。
 今後の動向に関しては「量が上がってくれればいいが、11月は天候の変わり目で、しけになるなど、操業日数が確保されないことも懸念される。しけがあけた後、どういう漁場になるかがカギ。三陸沖に漁場が形成されてはいるが、持続性があるかどうか」と話し、慎重な姿勢を崩さない。
 一般社団法人・漁業情報サービスセンターがまとめた第6回サンマ中短期漁況予報によると、11月上旬~中旬の来遊量は低位水準で推移。11月下旬~12月上旬は低位水準のまま減少する見込み。漁場は11月は三陸北部~南部に形成され、12月上旬は南部に残るとしている。