特産品を全国にPR 町内11事業所を掲載 住田町商工会

▲ 町商工会が作成したカタログ

 住田町商工会(千田明夫会長)はこのほど、町内の食品加工業者らの商品を掲載したカタログ「住田のうんみゃ〜もん」を作成した。全国の道の駅や、県内外のアンテナショップなどに発送しており、気仙管内や町商工会会員の宿泊施設、飲食店には今週中にも配られる見通し。カタログを通じて、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者の販路開拓、新たな事業展開を後押ししていく。

 

販路開拓へ

カタログ作成

 

 今年に入り、新型ウイルスの影響によって各地の物産展が中止となったため、町内の製造業者も特産品をPRする機会が減少している。住田町では、飲食店など幅広い事業者を支援するためにプレミアム率100%のチケットを発行して地域内の経済循環を図っているが、地域外を商圏にしている事業者はその恩恵を受けにくい。
 こうした中、町商工会は「今後も事業を続けていくためには、大都市圏での販路開拓もしていく必要がある」として、売り上げの補塡(ほてん)に加えて販路開拓、新たな事業展開につなげてもらおうとカタログの作成・販売を計画した。
 掲載されているのは計11の事業者。ありすポークや住田鶏ハラミらーめん、手作りの梅干し、菓子類、農産物などを掲載しており、商品の製造過程も紹介することで、作り手の〝顔〟が見えるようになっている。
 配布先は、特産品の購入機会が多い道の駅のほか、岩手県産㈱が運営する各地のアンテナショップ、大船渡、陸前高田両市の観光物産協会、住田町内の商工会員事業所など。神奈川県鎌倉市大船地区で震災後に開催されている「岩手県復興支援産業祭り 大船to大船渡」の実行委員会にも送られ、実行委を通じて同地区の飲食店に配られる。
 カタログの発行部数は計2万7000部。新型コロナ流行後、新聞を見る時間が増えているという統計があることから、主婦が購読層となっている「サンケイリビング新聞」にも複数回にわたって広告を掲載し、PRする。
 カタログで注文すると、商品と一緒にアンケートが届き、それに回答することで町内特産品詰め合わせ1万円相当が5人、5000円相当が10人に当たるキャンペーンも展開する。
 アンケートの質問項目は購入した商品の味だけでなく、価格設定や地域特産品を購入する際に味・価格以外で重要視することなども設けており、アンケートの分析結果を事業者側にフィードバックすることで新たな商品開発・事業展開など、今後の方向性の参考にしてもらおうとの狙いもある。
 町商工会の今野雄介経営指導員(40)は「住田の高品質な商品や優れた加工技術を少しでも多くの人に知ってもらいたい、買ってもらいたいと思っていた。(カタログが)売り上げ補塡、販路拡大につながっていけば」と話していた。
 近日中には、専用のサイトも完成する予定。
 カタログの有効期限は令和3年12月1日(水)までだが、アンケートの配布期限は同1月20日(水)注文分までで、応募期限は同2月1日(月)となっている。