命守る「津波ブック」作成へ 大船渡小4年生が独自に避難行動まとめる(別写真あり)
令和2年11月19日付 7面
柏崎教育委員(震災当時校長)が講話
大船渡市立大船渡小学校(三浦和人校長、児童139人)の4年生30人は津波を想定し、自身が取るべき避難行動をまとめる独自の「私の津波ブック」作りに取り組んでいる。18日は東日本大震災当時、同校の校長だった柏崎正明市教育委員(68)=猪川町=の講話を受け、発災時の状況や避難の教訓を学び、自分で命を守る意識や、震災を語り伝える意義を学んだ。
大船渡町にある同校は、平成23年の同震災津波で校庭と校舎1階が浸水。当時、地域の避難所に指定されていたが、柏崎教育委員は「バキバキと音を立てて家が流され、迫ってくる津波を見て、危ないと思い、高台の大船渡中に逃げた」と間一髪で全校児童が助かった様子を伝えた。
同校では25年に児童が体験を書いた文集『東日本大震災の記録』を発刊しており、柏崎教育委員は発災時1年生だった児童の作文を紹介。「家が流されるのを見て、みんな一斉に走り出した。後ろを見ないで全速力で逃げた。津波はとても怖い。まちがめちゃくちゃになっていくのを見て涙が出た。みんな泣いていた」と読み上げ、当時0歳だった児童は静かに聞き入った。
震災前年の22年には、昭和35年のチリ地震津波を経験した児童らが書き残した文集『黒い海』を使い、防災学習を行っていたことも紹介。
柏崎教育委員は「記録をこれからに生かし、震災を語り継いでいくことが大事だ」と呼びかけ、一人一人が安全な場所に逃げる「津波てんでんこ」の意味を説いた。
津波ブック作りは社会と総合的な学習の時間の授業の一環で2学期に取り組み、これまでに震災当時の状況を家族に尋ねるインタビューや、陸前高田市の東日本大震災津波伝承館訪問などを行った。柏崎教育委員の講話も踏まえ、各自で自宅からの避難路や非常持ち出し品の確認を含め、命を守るための行動と教訓を12日までに手書きでまとめる。
同校では震災後、「大船渡中へ避難」とマニュアルを見直し、27年からは中学校と合同の避難訓練を実施。下校コースでの訓練も行うなど、防災教育に力を入れている。
新沼にこさんは「1㍍でも高く、1秒でも早く避難することが大切だと思った。家族や津波を知らない下級生にも伝え、大人になってからも見返せる津波ブックを作りたい」と意識を高めた。






