新型コロナウイルス/感染拡大防止に協力を 県大船渡保健所と関係機関(別写真あり)

▲ 大船渡保健所や関係機関が店内での感染症対策徹底を呼びかけ

飲食・宿泊業者に周知

 県内で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、県大船渡保健所(木村博史所長)と関係機関は25日、大船渡市大船渡町のJR大船渡駅周辺地区で営業する飲食店や宿泊業者に対し、感染防止対策の徹底を呼びかけた。各店舗には感染症対策のガイドラインなどを配布し、改めてその内容に基づいた取り組みの徹底と、感染拡大防止への協力を求めた。
 県内では11月に入り、飲食店でのクラスター(感染者集団)発生などによる新型ウイルス患者が急増。クラスターが起こった店舗の中には、従業員が店内でほとんどマスクを着用していないなど、感染可能期間に十分な対策がとられていなかったところもあった。
 飲食店でのクラスター発生を受け、県は市町村や県生活衛生同業組合、県食品衛生協会などとも連動して感染拡大防止に向けた取り組みを展開。飲食・宿泊業への周知活動はその一環で企画された。
 大船渡保健所としては第1弾の周知活動となったこの日は、同保健所環境衛生課や県大船渡地域振興センター、同市新型コロナウイルス感染症対策室から職員5人が参加。大船渡駅周辺地区で営業する飲食店や宿泊施設約30軒を訪問した。
 このうち、キャッセン・モール&パティオ内で営業する「Hy’sCafe(ハイズカフェ)」では、同課職員が外食業向けの感染拡大防止ガイドラインチェックシートを配布。「いま一度ガイドラインの中身を確認し、工夫できるところがあれば引き続き取り組んでほしい」と呼びかけた。
 このほか、県による事業者向けの感染症対策等支援事業費補助金、LINE(ライン)を活用した県民向けサービス「もしサポ岩手」も紹介。市側も、対策面での心配ごとや困っていることなどを聞き取った。
 同店では「お客さまに安心してもらえるよう、換気やアルコール消毒などを行い、従業員もマスクの着用、毎日の検温に取り組んでいる。県内で新型ウイルスの感染が広がる中、注意して営業していきたい」と話し、気を引き締めていた。
 この日、同保健所ではキャッセン大船渡による店長会議にも出席し、店舗の代表らに感染症対策への協力を求めた。
 同保健所の中村重志環境衛生課長は「気仙の飲食店などでは、すでにできる感染症対策をとっていると認識している。今回は対策をとっているかのチェックというよりは、店ごとにガイドラインを再度確認する機会にしてほしい。今後も大船渡市をはじめ、陸前高田市、住田町の各地を回り、感染防止への協力を依頼していきたい」と話している。