安全な登下校環境願い 県警本部などに要望書提出 信号機や横断歩道設置 高田町民有志
令和2年12月3日付 3面

陸前高田市高田町内の町内会やPTA、交通安全関係者らでつくる「道路信号機等の早期設置を求める会」(代表・横田祐佶高田地区コミュニティ推進協議会長)は2日、県警本部(大濱健志本部長)と大船渡警察署高田幹部交番(大河内善寿所長)に、町民ら2679人分の署名を添えた要望書などを提出した。小学校や保育所近くで新たに開通し、今後の交通量増が見込まれる市道交差点への信号機設置をはじめとした安全対策の充実を求めている。
同町内では10月末、高田小や高田保育所、県立高田病院前を通って高台を東西に結ぶ市道西和野山苗代線(通称・高田北幹線)が全線開通した。
北幹線は海側と高台をつなぐ市道曲松中和野線(同・シンボルロード)などと交差し、東端では県道大船渡広田陸前高田線(同・アップルロード)に連絡する市道高田米崎線が本年度内の開通を予定。現状でも特に通勤時間帯は車両の往来が多く、整備完了後にはさらなる増加が見込まれる。
近隣施設のうち、高田小は全校児童173人のおよそ8割がここを通って登下校している。
交差点には横断歩道が設置される予定だが、信号機は計画されていないことを受け、町内会やPTAなどでは「道路幅が12㍍もあり、子どもたちがより安全に渡るためには、信号機の設置が必須の要件」「子どもたちだけでなく町民の日常が危うい状況のままで続くことになる」と危機感を募らせ、町内28団体賛同のもとで「求める会」を結成。
署名を募りながら、関係機関への要望を行うこととした。署名は11月中に実施。町民を中心に2679筆が集まった。
同日は横田代表、気仙地区交通安全協会高田分会の柳下功分会長、高田小の金野美惠子校長の3人が、要望書や署名簿を携えて高田幹部交番を訪問。佐藤貢副所長と大船渡署交通課の木村貴仁交通規制係長が応対した。
横田代表が同交番所長あての取り次ぎ願い書を佐藤副所長に、金野校長が県警本部長あての要望書を木村係長にそれぞれ手渡し、「子どもたちや住民の切なる願いが実現するよう特段のご協力を」と求めた。
要望書では交差点への信号機設置のほか、県立高田高校に近い市総合交流センター・夢アリーナたかた前への横断歩道設置も求める。
横田代表は「見守り活動もあって幸いにして事故は発生していないが、安全・安心を守るためには信号機や横断歩道が欠かせない」と実現を強く願っていた。