「気仙から東北道直結を」 商工団体連絡会 高規格幹線道路整備を要望
令和2年12月10日付 1面
大船渡商工会議所と陸前高田、住田町の両商工会による気仙地区商工団体連絡会(会長・米谷春夫大船渡商議所会頭)は9日、気仙2市1町などに対して「気仙地域から東北自動車道へ直結する高規格幹線道路の実現」を求める要望書を提出した。10~20年先を見据えた将来的悲願として、最短で結ぶ道路整備の必要性を強調するとともに、国や県などへの働きかけを促すもの。具体的なコースは明示せず、まずは気仙3市町内での機運醸成や、周辺自治体への波及などを見据える。
要望活動は気仙3市町の行政や市議会に対して行い、米谷会頭と同連絡会の副会長を務める陸前高田商工会の伊東孝会長、住田町商工会の千田明夫会長らが各地を訪問。このうち、大船渡市への要望は同市役所で行われ、戸田公明市長らに要望書を手渡した。
その後の懇談は、非公開で行われた。米谷会頭は、釜石~花巻間に整備された東北横断自動車道釜石秋田線や、年度内の全線開通に向けて整備が進む宮古盛岡横断道路の効果などを挙げながら、理解を求めたとみられる。
同連絡会では本年度、地域課題の解決や活性化などを見据え、積極的に会合、研修会を開催。この中で、気仙3市町における将来展望を見据えた道路整備要望の取りまとめを進めた。
要望書では全国的に国内貨物輸送の約50%、宅配貨物の90%は自動車輸送が占める一方、慢性的なドライバー不足の課題を抱え、より大型化した貨物自動車やトレーラーがスムーズに走行できる高規格道路の重要性を指摘。経済基盤としての物流にとどまらず、観光面などにも言及し、高速交通が「当たり前」になる未来像を強調している。
現在、気仙と内陸を結ぶ主な路線は、陸前高田市から一関市などにつながる国道343号や大船渡市から奥州市を結ぶ同397号、北上市や盛岡市への通行時に利用する同107号がある。いずれも急峻で難関が多く、特に冬場は路面凍結に伴う事故が懸念される。
大船渡市と住田町境の白石峠をはじめとした107号の改良や、343号では陸前高田市と一関市境での新笹ノ田トンネル整備を求める各要望も出ている。同連絡会では「改良が果たせたとしても、当面の利便性は増すが、将来の高速大量輸送時代に対応するには、まだ十分ではない」としている。
そのうえで「10年先、20年先を見据えた将来的悲願として、気仙地域を最短で結ぶ高規格幹線道路の実現を、国や県に早期に要望することを求める」と訴える。具体的な路線や整備時期などは盛り込んでおらず、気仙3市町内での検討協議や合意をもとに、積極行動を求めている。
要望を終えた米谷会頭は「実現までには期間が長くなるとは思うが、2市1町でコンセンサス(合意)をとり、ルートを固め、周辺自治体もまきこむ動きになってほしい」と話していた。






