発酵文化の発信拠点に 17日に「カモシー」開業 パン店など8店舗入居 今泉地区に新商業施設
令和2年12月13日付 1面
陸前高田市のまちづくり会社「醸(カモシー)」(田村滿社長)が、東日本大震災で甚大な被害を受けた気仙町今泉地区で整備していた商業施設「陸前高田 発酵パークCAMOCY(カモシー)」は、17日(木)に開業する。パン店や食堂、クラフトビール醸造所など8店舗が入居。震災前しょうゆやみその醸造店が集中していた同地区で、「発酵」を切り口とする新施設がスタートを切る。グランドオープンは来年3月を予定。
12日は現地で内覧会が午前、午後の2回開かれ、地区住民ら合わせて約70人が参加。木のぬくもりあふれる施設中央のフードコートで各店舗の試食があり、店側はコンセプトや開業に向けた思いを発表した。
今泉の自宅を津波で失い、高田町に住む村上徳彦さん(53)は「発酵の料理は一つ一つ工夫されており、どれも素晴らしい。震災から10年目で時間はかかったが、地元にもこんな素晴らしい施設ができた。市外の人にも来てほしいし、地域のお年寄りが気軽に立ち寄れる場になってほしい」と期待した。
建設地は土地区画整理事業で造成された気仙川右岸のかさ上げ地で、7月に着工。施工は同市の㈱吉田建設(吉田光伸代表取締役)が請け負った。
木造平屋で、広さは約710平方㍍。建設費は約1億8800万円で、国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を活用した。
施設内には▽パン店▽食堂▽食品店▽チョコレート製造・販売▽クラフトビール醸造所▽弁当・総菜店──などの八つの店が入る。いずれも「発酵」をテーマに据えた商品・料理、サービスを展開する。キッチン併設のコミュニティースペースも設けた。
パン店「BAKERY MAaRo(ベーカリー・マーロ)」(塚原涼子店長)は、焼きたてを売りにする本格的な店。販売2人、製造4人の計6人のスタッフで切り盛りする。
千葉県松戸市の有名パン店などで8年間修業した塚原店長(34)は福島県出身で、カモシーオープンを機に、陸前高田市に移住。「地元食材を使ったり、ハード系のパンを増やすなど、地域の人にパンに興味を持ってもらえるよう頑張っていく」と意気込む。
来年3月の本格オープンまで営業時間を短縮し、各店で品ぞろえを充実させながら営業する。
田村社長は「ようやく発酵の里が出来上がり、地域や行政の協力に感謝している。発酵の文化を発信し、陸前高田、気仙をさらに盛り上げていきたい」と力を込める。






