きょう姉歯橋利用開始 震災で全壊し市が復旧 今泉─高田間の往来スムーズに
令和2年12月16日付 6面

東日本大震災で全壊し、陸前高田市が整備している気仙町の姉歯橋(橋長152㍍)は、16日午後1時に暫定利用が開始される。今泉地区と中心市街地を結ぶ重要な役割を担う姉歯橋周辺には、道の駅「高田松原」や東日本大震災津波伝承館があるほか、新たな商業施設もオープン予定で、市民生活の向上に期待がかかる。
姉歯橋は都市計画道路・市道町中堰線の一部で、橋両端の道路を含む復旧延長は505㍍。市街地と道の駅を結ぶ気仙川左岸の市道と、来年12月の全線開通を見込む気仙川右岸の新たな国道340号に連結する。
平成27年12月に着工。道路は片側1車線で、道路幅は2車線合わせて7㍍。震災前、上流側のみにあった歩道(幅員2㍍)は、上流・下流両側に3・5㍍ずつを整備した。
橋の高さは震災前より約3㍍高いT・P(東京湾平均海面)約8㍍。総工費は34億1347万円で、全額国が負担する。
他事業との調整のため一部歩道の舗装を今後実施し、全線の完成は本年度末までを予定している。
市民らに親しまれた姉歯橋は震災で全壊し、これまで今泉─市中心部間は国道45号の気仙大橋などを通って往来していた。姉歯橋を利用できることでよりスムーズに行き来できる。
周辺にできた新たな道の駅「高田松原」、東日本大震災津波伝承館は、昨年9月に開業・開館。市内外から多くの観光客が訪れている。
また、姉歯橋そばの気仙川右岸では17日、商業施設「陸前高田 発酵パークCAMOCY(カモシー)」がオープンする。同川左岸の今泉北地区では、約23㌶の広大な造成地に、農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」が今後約20年間をかけて整備される計画で、先行的に整備しているモデルエリア(3・3㌶)は来年3月の開業を予定。
市幹線道路対策室の大友真也室長は「今泉地区と高田地区を直接的に結ぶ姉歯橋の開通で利便性の向上が期待される。さらに周辺では道の駅をはじめ、商業施設もでき、活気創出、交流人口の拡大に寄与する道路として利用してもらいたい」と話している。