「順調に推移」7割占める まちづくり計画推進委 初年度の進ちょく状況共有

▲ まちづくり計画初年度の主な実績を確認

 陸前高田市まちづくり総合計画推進委員会(菊池清子委員長)は15日、高田町の市コミュニティホールで開かれた。前期計画期間(令和元年度~5年度)のうち、同市事務局が初年度の進ちょく状況を報告。新型コロナウイルス感染症の影響で政策の一部に遅れが生じたものの、「順調に推移」「おおむね順調に推移」が7割近くを占めたことが分かった。

 

 委員約20人と市全部局の幹部職員らが出席。冒頭、戸羽太市長は「予想もしなかった新型コロナウイルス感染拡大で、交流人口関連事業や復興事業などにも影響が出ている。復興後、コロナ収束後の陸前高田のまちづくりをどう進めるか、中心となるのはこの計画。さまざまな立場から忌憚(きたん)のない意見をたまわりたい」と述べた。
 計画で定める基本目標は八つ。協議では、市事務局が各目標にかかる33の基本政策の元年度実施状況を把握する目安として、さらに細かく設定した成果指標項目別の進ちょく評価を報告した。
 報告のあった約100の指標進ちょく評価のうち、「順調に推移」「おおむね順調に推移」の役割は68%。基本目標「快適に気持ちよく暮らすまちづくり」のうち、図書館利用者数は目標の倍以上となる12万7000人に達した。
 このほか、進ちょく別の割合は「やや進ちょくに遅れ」が24%、「進ちょくに遅れ」が6%、「進ちょくに大幅な遅れ」が2%。「進ちょくに大幅な遅れ」は「ホタテ水揚げ量」(元年度98㌧)などで、水揚げ量減は貝毒の異常発生を要因にあげた。
 委員からは「進ちょく状況に遅れが生じているものについては指標ごとの課題を抽出するべき」などという意見が寄せられた。
 まちづくり総合計画は、平成30年度までの震災復興計画を継承する同市の最上位計画で、昨年3月に策定。まちの将来像を「夢と希望と愛に満ち/次世代につなげる/共生と交流のまち 陸前高田」と定め、▽創造的な復興と防災・減災による安全・安心なまちづくり──など3点を基本理念に掲げる。
 総合計画推進委は市民らの意見を反映させ、計画推進を図ろうと設置。委員は各種団体の代表や有識者、市民代表ら31人で構成し、昨年度から年に1度のペースで会合を開いている。
 計画2年目の本年度分は、新型ウイルス感染拡大の影響が幅広い事業に及ぶことが予見される。市は来春にも、無作為抽出の市民2000人に計画進ちょくに関する実感度調査を行い、実施状況の参考指標として盛り込むこととしている。