仮囲いで共生社会発信 市役所新庁舎の建設現場に障害者らの作品並べる

▲ 新庁舎建設現場の仮囲いに田﨑飛鳥さん㊨やシンガポールのアーティストらの作品を展示

 陸前高田市は17日から、高田町字下和野で整備が進む市役所新庁舎建設現場の仮囲いにアート作品を飾る「共生社会仮囲いアートミュージアム事業」の展示を行っている。同市とシンガポール共和国に住む障害者らの作品20点が並べられており、市では「共生社会実現の後押しに」とし、観覧を呼びかける。来年1月19日(火)まで。
 同市は、東京オリンピック・パラリンピック大会の「復興ありがとうホストタウン」および「共生社会ホストタウン」としてシンガポール共和国との交流事業を推進している。
 今回の事業は、両国に住む障害のあるアーティストの作品を市内に展示し、共生社会について市民が理解を深める機会につなげようと企画。国の補正予算「オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査事業」を活用した。
 障害のあるアーティストらの作品をプロデュースし、建設現場の仮囲いを活用したアートプロジェクトを全国で展開している㈱ヘラルボニー(松田崇弥社長、花巻市)に業務を依頼。
 作品は、健常者と障害者の共生をサポートするシンガポールのコミュニティー「イネーブリングビレッジ」を利用している障害者らから10点、知的障害がある同市のアーティスト・田﨑飛鳥さん(39)から10点が寄せられた。
 これら作品は、市役所新庁舎の建設現場の仮囲いのうち西側に展示。奇跡の一本松や氷上山など同市の風景を独創的に描いた田﨑さんの作品と、マーライオンや郷土の建造物、特産品などを描いたシンガポールの人々の作品が交互に並んでいる。
 展示初日は報道機関向けの概要説明会が開かれ、市職員や同社の関係者のほか、田﨑さんも出席。現地を見た田﨑さんは「とてもうれしい」と笑顔を見せ、同席した田﨑さんの父・實さん(73)も「こういう形でアート作品を展示していただけることはありがたい。障害者の社会参加における一つの試みとしても、多くの市民の方々にこの囲いを見てもらいたい」と話していた。