新型コロナウイルス/マスク着用や手洗い浸透、洗い方や着脱時の意識低く、感染対策に関する県民意識調査結果

 県は、ソーシャルネットワークサービス・LINE(ライン)を活用し、新型コロナウイルスの感染対策に関する県民意識調査の結果を公表した。実践する基本的な感染対策などに関するアンケートを行い、県民2万6000人余りが回答。その結果、マスクの着用や手洗い、消毒といった基本的な対策は広く浸透している一方、その洗い方や着脱時に対する意識はまだ低く、飲食店などの利用頻度は前年に比べて「半減以上」が8割を超えたことが分かった。

 

飲食店利用8割超が「半減」

 意識調査は、年末年始の移動時期を含めて長丁場となる新型ウイルスの感染対策に対応し、県民一丸となった対策徹底をさらに推進しようと実施。県の公式LINEアカウント「岩手県─新型コロナ対策パーソナルサポート」の利用者に協力を呼びかけ、今月4〜7日に調べた。
 調査項目は、年代や性別などの基本情報のほか、基本的な感染対策にかかる意識調査9問、直近1週間の行動サンプル調査8問。有効回答数は2万6164人だった。
 調査のうち、「今、実施している感染対策(複数回答)」(別図参照)で最も多かったのは「マスクの着用」の100%。次いで、「手洗い、アルコール消毒」99%、「せきエチケット」85%、「3密を伴う会合などの回避」84%となり、県民に広く浸透していることがうかがえた。
 一方で、「室内の換気、湿度の調整を実施」は65%、「同居者との使用するものの使い分け」は20%となり、家庭内で有効とされる対策の実施割合が低い結果となった。
 「手洗いの仕方(単一回答)」の質問に対し、「石けんを使用し、爪、指の間、親指、手首を洗っている」と感染症対策に有効な洗い方を実践しているのは57%。「石けんを使用して数秒程度」は34%、「流水で手全体を洗っている」は8%と、約4割が簡易的な洗い方になっていることが分かった。
 「マスクの着脱時に気を付けていること(複数回答)」の問いには、「顔とマスクの隙間ができないように着用」が68%と半数を上回ったものの、「着用時にひものみを持って本体部分に触れない」42%、「外したマスクを置く際、清潔なティッシュペーパーなどの上に置く」25%などと、そのほかは半数を割り、約2割は「特に気を付けていることはない」と答えた。
 手洗い、マスクの着用は対策として世代を超えて定着。その一方で、洗い方を簡易に済ませてしまったり、マスクの着脱に対してまだ意識が低い状況が浮かび上がった。
 「飲食店における感染症対策等について」のうち、前年に比べて店の利用回数が「10割減(まったくしていない)」と答えたのは23%あり、「9〜8割減」が35%、「7〜6割減」が14%、「5割減」は14%。これらを合わせた「半減以上」は86%に上り、「減少なし」は4%にとどまった。
 「飲食店などでの飲食に当たって気を付けていること」で最も多かったのは「飲み会等に出席しない」の60%。次いで「家で食事をする」の56%となり、感染対策として飲食店に行かない傾向にあることが分かった。
 県は意識調査の結果をLINEの公式アカウントや県ホームページに掲載。結果については、「県民への還元を通じてさらなる感染対策に対する意識変容・行動変容につなげ、今後その動向を定期的にモニタリングして、県民に適宜適切な働きかけを行っていく」としている。