学校のICT活用任せて 一般社団法人トナリノの4人が専門支援員に認定 教員の補助役に

▲ 支援員に認定された(左から)佐々木代表理事、舟波さん、吉田さん、白山さん

 陸前高田市の一般社団法人トナリノの佐々木信秋代表理事(38)らスタッフ4人が、教育情報化コーディネータ認定委の試験に合格し、「ICT支援員」に認定された。学校の授業や校務で教員がICT(情報通信技術)を活用する際のサポート役を担う資格。あらゆる分野でデジタル化が進み、国は「GIGAスクール構想」を推進する一方、本県などの支援員は不足しているという。地域の困り事解決を請け負うトナリノは、教育のICT化を支えるべくさらなる増員を目指している。

 

 ICT支援員に認定されたのは、佐々木代表理事、制作部マネジャーの白山武士さん(40)、同部ディレクターの吉田健人さん(28)、企画部アシスタントの舟波志穂さん(34)。10月に盛岡市で全国共通の試験があり、11月に認定証書が交付された。
 ICT支援員の主な業務は▽機器・ソフトウエアの設定や操作、活用の助言▽機器などの簡単なメンテナンス▽情報モラルに関する教材や事例などの紹介▽デジタル教材作成などの支援──。オンライン環境や教員のICT活用能力の差など学校ごとに違う多様な状況に応じ、日常的にサポートする。
 文科省は、児童・生徒に1人1台のパソコンやタブレット端末を配る「GIGAスクール構想」の実現を目指す。当初は令和5年度までに全国の小中学校で配備する方針だったが、新型コロナウイルス感染拡大で在宅オンライン授業の早期導入などが求められ、構想の完了年度を本年度内に前倒しした。気仙3市町でも端末導入や環境整備が進む。
 平成29年改訂の新学習指導要領では、児童・生徒の「情報活用能力」をすべての学習の基盤と示し、今後存在感が増すと考えられるのがICT支援員。文科省は、令和4年度までに4校に1人配置する目標を掲げている。
 トナリノは、前身組織のSAVETAKATA時代から、小学生向けのプログラミング教育などデジタル分野の取り組みに力を入れている。
 本年度は、子どもから高齢者まで地域のデジタル人材を増やそうと、さらに活動を強化。端末の使い方を高齢者らに伝える出前講座などを市内外で積極的に展開している。ICT支援員は法人スタッフ全21人のうち、10人程度の認定を目指す。
 佐々木代表理事は「支援員にはICTに関する幅広いケースに対応する能力が求められ、そうした対応力は地域の困り事解決を掲げてきたトナリノの強みでもある。市内外の学校などと連携し、支援員として活動していきたいし、同時に地域全体のデジタル化も進めていきたい」と展望する。