「着実な前進」願い込め 杣遊会が〝干支作品〟制作 うし年にちなみ(別写真あり)

▲ チェーンソーで丸太を削り、うしの作品を制作

 住田町のSUMITAチェーンソーアート杣遊会(そまゆうかい、泉田晴夫会長)は20日、世田米の作業場で来年のえと・丑(うし)の作品制作を行った。会員らは大胆かつ繊細にチェーンソーを操作し、新年の安泰を見守る姿を作り出していった。
 同会は「森林・林業日本一の町」を目指す住田を拠点に、チェーンソー彫刻作品を通じて、町並み整備や作品の特産品化などに取り組んでいる。町内外の団体やイベントとの連携も積極的に行いながら、地域活性化も図っている。
 会では毎年、年末の活動で翌年のえとをモチーフにした創作に挑戦。今年は同会の佐藤清司副会長(62)と事務局の松田英明さん(57)の2人が作業。それぞれが事前にイメージしていたうしの姿を求めて、丸太を削り進めた。
 2人はそれぞれスギの丸太から制作。豪快に削りながら全体の輪郭を整えると、細やかな手つきで表情などを彫り込み、厳しい寒さの中、作業場には豪快なエンジン音が響き渡った。
 佐藤副会長は「来年はうし年なので、のんびりとした生活が送れるようになればという願いを込めた」と、チェーンソーを握る手に力を込めた。
 歩みの遅いウシにちなんだうし年は、先を急がず一歩一歩着実に物事を進めることが大切な年といわれている。
 今年は新型コロナウイルスの影響でさまざまな活動が制限され、来年の同会の活動についても感染動向をみながら判断していくが、佐藤副会長は「ウシのように一歩一歩確実に前に進んでいきたい。来年はオリンピックもあるので、日本が元気になってくれれば」と新年へ願いを込めた。