換金額1億円を突破 市ふるさと振興券 店舗での利用今月末まで

▲ 大船渡市内全世帯を対象に配布された振興券(見本)

 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者に対する大船渡市の独自経済対策「ふるさと振興券」事業で、加盟店舗による換金実績が今月15日時点で1億円を超えたことが、大船渡商工会議所のまとめで分かった。期限は今月末までとなっており、有効活用を呼びかけている。
 ふるさと振興券は、新型ウイルスの影響で苦しむ飲食店や小売業、サービス業の売り上げ確保に向けた消費喚起が目的。市内全世帯に1万円分の振興券を配り、小規模店での消費を喚起する取り組みで、大船渡商工会議所に事業を委託している。
 市内の1万5000世帯が対象。9月下旬から10月にかけ、簡易書留配達で1世帯に1万円分(500円券20枚)を配布した。
 振興券を利用できる加盟店は386店舗で、商工会義所の商品券事業を上回る。飲食店や小売店、サービス業が対象で、理美容やガソリンスタンド、薬局など幅広い業種で対応。一方、スーパーやドラッグストア、ホームセンターなど、店舗面積が500平方㍍を超える大型店は対象外とした。
 商議所によると、今月15日までに各店舗が消費者から振興券を預かり、金融機関で換金した額は1億241万円。家族で足を運びやすい飲食店や専門店が集積する商業施設での利用が目立った。
 振興券は約1億5000万円分が出回っており、68%が利用されたことになる。11月までの実績では、218事業所で振興券による購入・サービスが行われ、店舗利用率は56・5%だった。
 振興券は今月31日(木)まで有効。加盟店の換金期限は来年1月29日(金)。商議所が発行している地域商品券は換金時に3%の手数料を徴収するが、振興券は無料となっている。
 市では、新型ウイルス感染予防に関する年末年始の呼びかけの中で、地域経済波及の観点も重視。「密を回避したうえでの飲食や買い物など、感染防止を前提に、できるだけ市内のお店を利用してほしい」としている。
 振興券利用加盟店は、市の独自宿泊観光回復事業「大船渡に泊まってHappy!大作戦」にも対応。市民を除く県民利用に対して、1人1泊当たりの宿泊料金のうち、最大4000円分を補助するほか、1000円分のクーポン券を配布してきた。
 発行予定金額は900万円分。12月15日までの換金額は579万円で、換金率は64・4%。11月までに92店舗で利用があった。