「地元に勝利届けたい」 大船渡市出身・遠野高の赤坂選手と木下選手 全国高校サッカー選手権出場へ あす1回戦
令和2年12月30日付 6面

日本サッカー協会など主催の「第99回全国高等学校サッカー選手権大会」は、31日(木)から来年1月11日(月・祝)までの6日間、関東1都3県の計9会場で開催される。本県からは、遠野市の遠野高校が出場。大船渡市立大船渡中学校出身のMF・赤坂一泉(かずみ)選手(3年)と、同市立第一中出身のDF・木下琉之介選手(3年)がメンバー入りし、「岩手、気仙の代表として勝利を届けたい」と意気込んでいる。
大会には、各都道府県予選を勝ち抜いた代表校48チームが出場。トーナメント戦で高校サッカーの頂点を争う。
県大会には39チームが出場。遠野は、3回戦で花巻北、準々決勝で盛岡中央をそれぞれ下し準決勝へ。準決勝の盛岡商業戦では、延長の末PK戦までもつれ込む死闘を制し、決勝へ駒を進めた。
決勝では、前大会覇者の専大北上を1―0で下し、2年ぶり29回目の県優勝と全国大会出場を決めた。赤坂選手も全4試合にフル出場し、ゴールを決めるなどチームの県優勝に大きく貢献した。
赤坂選手は、地元のFCサン・アルタス大船渡でサッカーを始め、大船渡中を経て遠野に進学。木下選手も、大船渡三陸FCシーガルで技術を磨き、第一中卒業後の進路に遠野を選んだ。
2人は、新人チームに世代交代したタイミングでトップチームに定着。今年は新型コロナウイルスの影響で、思うように活動できない期間もあったが、リーグ戦や各種大会で技術、連係力を高めた。
守備的MFを務める赤坂選手は、チームの心臓として試合をコントロール。鋭い読みでこぼれ球を回収し、得点に直結する決定的なパスや相手が予想だにしないプレーでチームを勝利に導く。FWをしていた時期に培った得点力を生かした2列目からの飛び出しも大きな武器だ。
DFの木下選手は、183㌢の長身から繰り出すヘディングで、後方からチームを盛り上げる。空中戦だけでなく、守備における対人戦でも強さを発揮し、「チームのピンチをチャンスに変えることができるような守備をしたい」と語る。
赤坂選手と木下選手は「気仙の代表として、地元に恩返しの気持ちを持って大会に臨む。自分たちのプレーを出し切り、チームの目標である初戦突破を目指す」「ここまで支えてくれた家族や仲間、そして応援してくれる地元の方々に勝利を届け、結果で感謝を伝えたい」とそれぞれ意気込みを語った。
大会初日の31日は、1回戦16試合を実施。遠野は初戦で、兵庫県の神戸弘陵学園と対戦する。