気仙の初売り 来店の中心は地元客 感染防止に知恵を絞り抽選会や福袋販売に工夫 人出は少なめ(別写真あり)

▲ サン・リアの抽選会企画は「指さし方式」で実施
「かもめテラス」での福袋販売も、スタッフらがマスク越しに笑顔を交わした

 気仙3市町の商業施設や各商店街は、2日を中心に初売りの多彩な企画で買い物客を迎えた。新型コロナウイルス感染防止の「3密」や接触回避に知恵を絞りながら実施。例年よりも人出は少なく、落ち着いた雰囲気が広がったが、気仙在住者を中心とした地元客の動きでにぎわいが生まれた。

 

 大船渡市内の各商店街や地元資本大型店は今年も、2日の初売りでほぼ足並みがそろった。同日は元日に続いて真冬日となり、厳しい寒さに見舞われたが、開店前から足を運ぶ姿も見られた。
 このうち、盛町のサン・リアでは、今年も参加料1回5000円で、末等でも5000円、1等が当たれば5万円分のギフトカードが贈られる抽選会を企画。今年は抽選箱から引く形式とはせずに、来店客が番号を指定し、掲示した「大入り袋」を手渡した。
 午前7時50分ごろから列ができ、同9時の開店前には約80人が並んだが、開店30分後には200枚用意した整理券を配り終えた。抽選終了時間は昨年より早く、市内在住者や親子連れが目立ったという。
 サン・リアを運営する協同組合南三陸ショッピングセンターの佐藤英克理事長(61)は「みなさんに〝福〟を届けたいとの思いから、今年も実施した。新型ウイルスの影響を受けている割には、集まってくれたと感じる。サン・リアはいつも、地域密着の営業。地域の役に立つ施設でありたい」と話していた。
 大船渡町のキャッセン大船渡に構える、さいとう製菓㈱(齊藤俊満代表取締役社長)の「かもめテラス」では、開店前から80人余りが列をつくった。多くのお目当ては2000円の「福袋」。同社製品がぎっしり入った充実ぶりが今年も人気を集めた。
 店舗スタッフが、入り口からスムーズに流れるように誘導。開店直後の来訪者は昨年よりもやや少ないというが、9割以上は気仙3市町からの来訪だった。「今年もお世話になります」「元気でしたか」など、顔なじみを見つけては談笑を交わす光景も見られた。
 盛町のさかり中央通り商店街振興組合(古内一二理事長)が企画した恒例の抽選会は、古内電器商会前の屋外で実施。参加店で2000円以上を購入すると抽選に参加でき、先着100人としたところ約2時間で終了した。
 5割以上の確率で、日頃市町産の米や商品券といった目玉商品が当たるとあって、小雪が舞う商店街に当選を知らせる鐘の音が響き続けた。盛町から訪れた80代の女性は「なじみの店で買い物をして、初売りで抽選をするのが毎年の楽しみ。狙っていたのが当たって良かった」と語り、笑顔を見せていた。