「浜の大々漁」願って 大船渡市魚市場で新年恒例の手締め式(別写真あり)
令和3年1月5日付 7面

大船渡市大船渡町の大船渡市魚市場で4日、新年初営業日恒例の「初売り手締め式」が開かれた。定置網のマイワシやサバ、イナダなど約160㌧超が水揚げされた場内が初競りで活気づいた中、集まった関係者は昨年までの不漁をはね返す大々漁や、持続可能な水産振興への願いを込めた。
先月29日以来の開場となった魚市場では、午前6時すぎから定置網船の水揚げが本格化。先月下旬からまとまった漁獲が続くマイワシはこの日、サバ込みでの数量が135㌧に達し、昨年を大きく上回る実績となった。
さらに、場内にはイナダやスルメイカ、ナマコ、生ワカメも並び、縁起物の赤いタオルを首に巻いた買い受け人がじっくりと品定め。新年最初の取引とあって、足をとめて「今年もよろしく」とあいさつを交わす光景も見られた。
手締め式には、魚市場を運営する大船渡魚市場㈱(千葉隆美社長)の職員や仲買業者、市、市議会、商工会議所などの関係者ら合わせて約100人が出席。
魚市場開設者の戸田公明市長はあいさつで、昨年の主力魚種の実績や先月施行の改正漁業法、令和3年度を初年度とする市水産振興計画策定の動きに言及。「国や県に対し、水揚げ量減少の厳しい状況を訴え、漁業資源量・漁獲適正量の把握による科学的で合理的な水産資源管理策を継続して働きかけたい。今後とも関係機関との連携を強め、漁業・水産業の振興を一層推進したい」と語った。
引き続き、千葉社長が「昨年は前浜の漁況に恵まれず、大変苦労をさせられた年だった。自然は恵みを与えるが、逆の場合もある。自然のありのままの流れに対して、今年もわれわれはありのままに挑戦を」と述べた。
最後に全員で三本締めを行い、今年の「大々漁」や商売繁盛を祈願。関係者は一年の豊漁に期待を込めるとともに、安全第一の業務遂行や健康保持も誓い合った。