テレワークをより身近に 中学生向け体験会で「新たな働き方」に理解 遠隔作業で〝業務〟完結(別写真あり)

▲ パソコン上での〝仕事〟やコミュニケーション手法に理解を深める中学生

 大船渡市ふるさとテレワーク推進協議会による中学生向けの「テレワーク体験会」が7日、盛町の大船渡テレワークセンターで開かれた。ゲームをつくるプログラミングとともに、パソコン上で作業完結に向けたアドバイスを受ける体験を通じて「新たな働き方」に理解を深めた。体験会は、8日も同センターで予定している。

 

 同協議会は、人材雇用やテレワークの普及を進めながら情報関連産業の振興を図ろうと、市と市内IT企業で組織。令和元年に設立され、全国の小学校で必修化されたプログラミング学習に向けた市内職員対象の研修会を開催するといった実績を重ねている。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、新たな働き方として注目される遠隔操作や在宅ワークなどを用いて、IT事業者の実態などについて理解を深めてもらおうと企画。地域の中学生らがIT業界やテレワークに関心を抱き、将来への選択肢を広げる機会づくりも見据える。
 初日は中学生3人が参加。同センターにオフィスを構える富士ソフト大船渡テレワーク室の山家明日香さんが講師役を務めた。
 山家さんは、テレワークは▽在宅勤務▽移動中や訪問先でのモバイルワーク▽勤務先以外の場で仕事をするサテライトオフィス──に分けられると説明。遠くにいる同僚らとコミュニケーションをとるウェブ会議にも触れ、ビデオ電話アプリの「スカイプ」やオンライン会議システムの「ズーム」などの活用を挙げた。
 プログラミングは未経験者でも扱いやすく、本格的なプログラミング研修の前段階として基本構造を学べる「スクラッチ」を活用。パソコン上でのゲーム制作を通じて「順次処理」「繰り返し処理」「条件分岐処理」の組み合わせを学んだ。
 後半は、山家さんが「時間設定」「ボーナスポイントの追加」などの課題を提示。生徒たちは自力でプログラミングを行ったほか、数十分後には「スカイプ」を生かし、会場から離れた山家さんとパソコン上でヒントとなる画像を共有した。
 また、吉川竜平室長は、昨年春から首都圏を中心にテレワークが広がった一方、秋以降は伸び悩み、社員間のコミュニケーションが課題となっている現状を紹介。同社では「仮想オフィス」をつくり、社員同士がオンライン上で会話しやすい工夫を施したシステム開発を進めている動きも示した。
 参加した大船渡一中2年の今野翼さんは「テレワークセンターによく来ている兄や、父に勧められたので参加した。難しいけど、できると楽しい」と話していた。
 8日午前10時〜正午と午後1時〜3時の講座は、同センター内に入りシステム開発などを展開するアローリンクス㈱が運営を担当。各回とも定員は4人で、気仙管内の中学生が対象。連続講座ではなく、各回単発の形となる。
 申し込み、問い合わせはセンター内の地域活性化総合研究所(担当・佐藤さん、℡090・9034・4762)へ。