写真と英語で魅力発信 SNS投稿が好評 国際交流員のオリビアさん

▲ フェイスブックとインスタグラムで投稿を重ねるオリビアさん

 アメリカ合衆国出身で、大船渡市初の国際交流員として観光振興などにあたるオリビア・リーさん(23)は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のフェイスブックとインスタグラムに開設した「Experience Ofunato(エクスペリエンス大船渡)」に投稿を重ね、市内の魅力を発信している。外国人に大船渡への関心を抱いてもらうだけでなく、英語での古里紹介を学びたい地域住民らからも好評。「今後は動画でも積極的に紹介を」と意欲をみせる。

 

古里紹介の参考にも

 

 オリビアさんはワシントン州シアトル出身。平成30年6月にワシントン大学を卒業し、同年8月、大船渡市に採用された。外務省、文部科学省、総務省の協力のもと、一般財団法人自治体国際化協会を通じて諸外国の若者を派遣してもらう外国青年招致事業(JETプログラム)を活用した。
 着任3カ月後の同年11月から、SNSによる発信を本格化。多くの外国人が大船渡への興味を持つことに加え、「英語のネット上で大船渡のことを調べると、ほとんどが東日本大震災のこと。観光地などの英語情報を発信したい」との思いもあった。
 投稿では、雄大な自然や、多彩な食の魅力の紹介が多い。海岸沿いの写真は、同じ場所の投稿でも日の出など時間を変えて撮影するなど〝映え〟を意識。食関連では、海の幸だけでなく、オリビアさんが大船渡に来て初めて食べたという柿や、地元飲食店メニューも取り上げる。
 フェイスブックページでは、英語説明も充実しており、地域住民から「英語で紹介する際の参考になる」との声も。日本で暮らす在留外国人の閲覧も見据え、新型コロナウイルスに関する支援策情報も投稿している。
 撮影などを通じて各地を訪ね、外国人が関心を抱きやすいポイントを見つけるとともに、地元内外の観光客を呼び込むアイデアも膨らませる。「五葉山山頂の神社から見下ろす鳥居と海の風景が素晴らしい」「みちのく潮風トレイルなどは、もっと地元の人が歩いて、自然や地元を知ることが大切では」と語る。
 新型ウイルスの影響が長期化し、外国人旅行客の回復は見通しが立たない。それでも「SNSを通じて関心を持ってフォロワーになってもらい、影響が収まった時に観光で訪れてくれるようになれば」と前を向く。
 国際交流員の任期は1年間ごとの更新だが、通算5年間の任用が可能で、中長期的な視点での振興策に期待が集まる。
 さらなる充実に向けて「動画による発信ももっと勉強して、充実させていきたい」と話している。
 フェイスブックの開設ページはfacebook.com/Experience.Ofunato/で、インスタグラムはinstagram.
com/experience.ofunato/。