再会に喜びと感謝 気仙光陵支援卒業生「成人を祝う会」(別写真あり)
令和3年1月17日付 8面

大船渡市の非営利型一般社団法人・かたつむり(吉田定代表理事)による「成人を祝う会」は16日、大船渡町のまるしち・ザ・プレイスで開かれた。新成人の節目を迎えた10人は、笑顔を浮かべながら再会を喜び合うとともに、新型コロナウイルスの影響を受けながらも開催を支えた関係者に感謝を寄せた。
非営利型一般社団法人・かたつむりが主催
同法人は、猪川町に就労継続支援B型事業所の「@(あっと)かたつむり」を構え、県立気仙光陵支援学校の卒業生らが利用。自治体主催の成人式では、緊張するため参加を見送るといった卒業生が多い中、家族や利用者らで節目を祝福し、同級生たちとの再会の機会をつくろうと10年以上前から続けている。
この日は同校高等部30期の卒業生のうち、10人が出席。同校職員や卒業生の保護者ら約50人が、20歳の門出を祝福した。
冒頭、吉田代表理事は「一生に一度の成人式は、これまでの20年を子と親がそれぞれの立場で振り返り、励まし合う大切な節目」と述べ、気仙3市町の成人式の式典が中止・規模縮小となった中でも開催に踏み切った思いを振り返った。
また、感染防止を徹底した運営に触れながら「成人の皆さんや、ご家族による『参加します』とのお知らせは、私たちに勇気を与えた。良き思い出をつくってほしい」とも語った。
気仙光陵支援学校の小澤千殖校長の祝辞に続き、新成人がステージ上に登壇。乾杯後は、家族や恩師との記念撮影が行われ、気仙光陵支援学校時代の思い出の写真も紹介された。
新成人を代表し、立根町在住の吉田圭佑さん(19)は、卒業後の収入を貯金してスーツ購入に充てたことなどを明かしながら「先生方からの教えを守りながら、ルールやマナー、気づかいができる大人になれるようがんばる」と決意を込めた。
さらに「母さん、今まで育ててくれてありがとう。これからも楽しく暮らしていきましょう」と、感謝を込めた。
例年とは異なり、会食は見送られ、時間も短縮されたが、恩師と卒業生がマスク越しで語らい、なごやかな雰囲気に。在学中の思い出の品を見せ合う姿も見られた。
唯一振り袖姿で臨んだ三陸町吉浜の庄司美来さん(20)は「着物を着ることができて良かった」と笑顔。10日に行われた住田町での成人式に続いて祝福を受けた上有住の水野健吾さん(19)は「緊張したけど、楽しかった」と話していた。