世田米の理容師・菅村さんが東北初の認定者に エステシモの「シニアビューティスト」  業界人憧れの難関資格

▲ エステシモの「シニアビューティスト」に認定された菅村さん

 住田町世田米にある「理容すがむら」の理容師・菅村いずみさん(40)がこのほど、理美容室・エステティックサロン専売の化粧品ブランド「ESTESSiMO」(エステシモ)から、「シニアビューティスト」に認定された。東北では菅村さんが初、全国でも40人ほどしかいないという〝難関資格〟。菅村さんはこれを機に「今まで以上に、お客さまのニーズに寄り添った施術をしていきたい」と意欲をみせる。

 

 エステシモは、理美容・医療の業務用設備機器や化粧品などを製造・販売する業界大手・タカラベルモント㈱(本社大阪府、吉川秀隆代表取締役会長兼社長)が展開するブランド。頭皮の洗浄、マッサージなどを施す「ヘッドスパ」を業界で初めて提唱した。
 エステシモが認定するビューティストは、製品知識、肌理論、技術、コミュニケーションスキルを身につけたホリスティックビューティ(総合的に調和のとれた美)のスペシャリストで、「エステシモビューティスト」「シニアビューティスト」「マスタービューティスト」と段階を踏んでスキルアップしていく。
 菅村さんの実家でもある理容すがむらは、100年以上続く老舗理容店。菅村さんは大船渡高校卒業後、家業を継ぐために盛岡ヘアメイク専門学校に進み、その後は大船渡市、陸前高田市の理容店で経験を積みながら技術を磨き、震災後、母・ひろみさん(70)とともに理容すがむらで働いている。
 業界人ならば誰もが憧れるというエステシモの認定ビューティスト。菅村さんも「髪も肌も頭皮も気持ちもすべてつながっている」というブランドコンセプトに共感。4年前に「エステシモビューティスト」に認定された。
 現在は10歳、7歳、3歳の子どもがいるが、「子育ても一段落したので、シニアビューティストにチャレンジしてみよう」と決意。
 「シニアビューティスト」は、エステシモビューティスト取得後に認定を受けられるもので、経験を積み、気候や気分、体調など広い視点で個々の顧客に合わせた製品の選定、メニューの提案、ホームスパアドバイスを行う。
 昨年1月に東京都での講習、新型コロナウイルスの感染拡大によるリモート講習を受けたあと、自店舗への来客者への施術レポート約30人分を提出。その後、本来であれば自店舗を会場に認定試験が行われる予定だったが、新型ウイルスの影響によってリモート試験に切り替わった。
 試験では▽技術▽知識▽コミュニケーション能力▽店内環境▽ヘッドスパのメニュー展開──の5項目が採点(各50点)され、菅村さんは知識とコミュニケーション能力で50点満点、合計でも235点という今季受験者の中で最高得点を獲得して合格した。
 「認定に向けて勉強してきたことを生かし、今まで以上にお客さまのニーズに寄り添った施術をしていきたい」と力を込める菅村さん。次なる目標は、全国で10人もいないという「マスタービューティスト」だ。